金融機関は、不動産や取引先など様々な情報を持っています。もちろん金融機関には守秘義務があるので、問題になるような情報は教えてくれませんが、時には有用な情報を提供してくれたり、取引先を紹介してくれることもあります。預金と融資の取引だけなら金利以外はどこの金融機関もさほど変わりませんので、様々な情報などを提供してくれる金融機関がより良い金融機関といえます。どのような情報があるのか例をあげて見てみたいと思います。
まず、不動産に関する情報です。関連会社で不動産会社を持っている場合もありますが、まだ不動産屋に情報が行く前段階の情報も金融機関は持っています。取引先が倒産し競売物件を抱えている場合や、取引先の業績が悪化して処分したい不動産がある場合、ただ手持ちの不動産を売却したい場合、あるいは新規出店などで不動産を購入したい場合、など様々な相談を事前に受けているので、金融機関が取引を取り次いで成約する場合もあります。道内に多くの支店を持っている金融機関なら多くの不動産情報を持っているでしょうし、購入したい地域が限定できれば、その地域の支店から情報を提供してもらえると思います。さらに言えば、金融機関から紹介を受けた不動産を購入する場合はたぶん融資が受けやすくなるでしょう。
次に、取引先の紹介です。販売先の紹介だと紹介してもらってその後のセールスはこちらの力しだいという部分もありますが、仕入先であれば、安全な先かどうかや商品の評判などを教えてもらった上で、どこかの支店で取引があれば個別に紹介してもらえると思います。紹介のない場合よりは有利な条件を提示されるかもしれません。また、金融機関では多くの場合、取引先を集めた懇親会のようなものを開いています。支店単位の会の他、地区単位、全店単位の会もあります。そうした懇親会に参加して他社との交流を図り、新たなビジネスチャンスを開拓することもできます。
次に経済情報に関するものです。ある程度の規模の金融機関は、調査部門を持っていて定期的に経済情報などを載せた機関誌を発行しています。黙っていればもらえませんが、ある程度取引があって頼めば、郵送先のリストに載せてくれるでしょう。金融機関によって違いますが、経済の見通しや、経営環境に関する最新の話題、注目されている企業の紹介などの記事が載っています。
以上、一般的なものを挙げましたが、支店長レベルと親密になれば、他では得られないようなビジネスチャンスに結びつく情報が得られることもあるでしょう。取引金融機関を情報の面から今まで以上に活用することも試みてみてはいかがでしょうか。
(筆者:佐々木 恵一(39) ササキ財務経営研究所代表 中小企業診断士、証券アナリスト。略歴:金融機関、シンクタンク勤務を経て平成15年7月から開業、事務所は札幌市産業振興センター3階)