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経営改善のキーワード

コミュニティビジネス

近年「コミュニティビジネス」という言葉がよく聞かれます。地域コミュニティを中心に、地域住民が主体となって営まれる様々な事業をこう呼んでいますが、その範囲やどういうものをいうのかよくわからない部分があるので少し見てみたいと思います。

コミュニティビジネスの分野としては、「福祉・保健・医療」「教育」「環境」「まちづくり」「就業支援・人材育成」「産業支援・地域資源活用」「災害支援・安全」「観光・交流」「文化・芸術・スポーツ」などがあげられています。一見、自治体などの公共部門が提供する分野が多そうですが、企業の形態でもビジネスとして成り立てば事業として参入できます。コミュニティビジネスが増えてきた背景としては、失業率の増大やコミュニティの弱体化、行政が地域の課題をすべて解決できなくなったことなどがあります。大企業や自治体が解決できない地域の課題やニーズを、地域の中で解決するためのサービスでありビジネスであるといえるでしょう。

ビジネスの具体例をあげると、福祉分野では居宅介護サービスや認知症高齢者向けグループホーム、教育分野では野外活動支援やカウンセリング、環境分野では空き缶リサイクルや堆肥づくり、まちづくり分野では商店街の活性化イベント、ブランド開発、文化・芸術分野では地域イベントの開催やスポーツクラブの運営などがあげられます。

コミュニティビジネスは失業対策や地域コミュニティのサービス維持に貢献していますが一方で課題もあります。介護保険事業などはある程度利益が見込めるのですが、その他の事業で大企業などがあまり参入しない分野は、利益がさほど見込めない分野でもあります。そのため、シルバー人材や空き店舗を活用してコストを抑えながらビジネスを行っている例もあります。また、たとえ地域に必要なビジネスでも、運営主体の経営基盤がしっかりしていないと金融機関などの支援を受けにくいという一面もあるので、経営的考え方が不足していると事業継続が困難になります。行政やボランティアに頼らなくても利益を出せる事業戦略や体制の確立が重要です。

以上のような課題を解決しつつ、ビジネスを継続するためには、そのビジネスの地域における必要性や貢献度を上手に関係者に理解してもらいながら、公的支援や地域住民の支援を受けつつ、その上で、一般企業と同じように確固たる事業戦略を持って取り組む必要があるといえます。大企業の行うビジネスと比較した場合、コミュニティビジネスは、参入障壁は低いものの、関係者や協力者と調整しながら、なおかつ利益を上げて運営していくという難しさがあるといえるでしょう。

(筆者:佐々木 恵一(39) ササキ財務経営研究所代表 中小企業診断士、証券アナリスト。略歴:金融機関、シンクタンク勤務を経て平成15年7月から開業、事務所は札幌市産業振興センター3階)