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経理・財務のマメ知識

交際費の損金の扱いについて

企業は、取引先との関係を円滑にしたり、何らかの見返りを期待する目的で「交際費」を使います。接待や慰安、贈答、その他類似する行為のために支出する経費のことです。この交際費を経理上処理する場合、帳簿上ではそのままの金額を計上していて問題ないのですが、法人税との関係では損金として認められない部分が出てきます。

交際費が全額損金として認められない理由としては、企業の無駄使いの防止と、本来の商品やサービスの質以外の競争が激化するのを防ぐためと考えられます。

この交際費について具体的にいくらまでが損金で認められるかというと、期末資本金1億円以下の会社では、年間400万円までの支出した交際費等の90%が損金として認められますが400万円を超える部分は一切認められていません。また期末資本金1億円超の会社は、支出した交際費等の金額で損金の額に認められる費用はなく、全額が損金不参入となります。

資本金が2,000万円の会社で例をみてみると、その年の交際費が600万円だったとすれば、400万円×90%の360万円は損金で認められますが、残りの240万円は損金とならず、240万円に対しては法人税がかかることになります(仮に40%として税額は96万円となります)。資本金が1億円超の会社だと損金として認められている交際費は最初からありません。

中小企業であっても交際費が全額は損金に認められないとなると、まぎらわしい費用はなるべく交際費として仕訳せず、他の経費で仕訳したいと考えるところです。

他の経費との関係で見ると、寄付金との関係では、政治家や団体に対して金銭で支出した場合は寄付金となりますが、物品で提供した場合はやはり交際費となってしまいます(ただし寄付金も交際費と同じように損金に認められないケースがあります)。売上割戻しとの関係では、売上高等に比例して金銭や少額の物品を提供する場合は売上割戻しとなりますが、旅行などに招待すると交際費となってしまいます。福利厚生費との関係では、記念行事などで従業員に供する飲食の費用は福利厚生費となりますが、役員や株主等に対して行われる接待などは交際費となってしまいます。会議費との関係でも、通常の会議に必要な部分を超える費用はやはり交際費となります。

企業活動を行なっていれば、交際費を全く使わないというのは難しいでしょう。今の制度なら資本金1億円以下の中小企業であれば、年間400万円までの交際費なら90%を損金で認められていますので、期中にもし400万円を超えそうになれば何とかそれ以下に抑えるのがまずは賢明といえるでしょう。

(筆者:佐々木 恵一(39) ササキ財務経営研究所代表 中小企業診断士、証券アナリスト。略歴:金融機関、シンクタンク勤務を経て平成15年7月から開業、事務所は札幌市産業振興センター3階)