今回は、財団法人北海道中小企業総合支援センターの支援メニューのひとつ「大学発ベンチャー貸付」を紹介します。これは、大学に属する、または属した職員や学生の方で、自ら研究開発した技術を事業化する場合や、出資者等として事業化に参画する場合に利用できる貸付制度で、「21世紀産業創造貸付」のメニューの中の支援制度です。
大学等に属する、または属した職員や学生が参画する「中小企業等」が貸付の対象で、「属した」場合の条件は5年未満となっています。事業内容は、「大学等で研究開発された先進的な技術の事業化」が対象となっています。
融資の条件は対象経費の80%以内で限度額は1,000万円です。貸付利率は1.5%と低く、貸付期間は10年までとなっています。無担保ですが保証人には代表者等がなる必要があります。保証協会の保証も必要ありません。また、銀行の制度融資と違い、支援センターからの直接貸付なので、返済は口座自動引落ではなく、半年に1回、北海道中小企業総合支援センターの口座に振込む形になります。
北海道中小企業総合支援センターのホームページ上にある申込関係書類を見てみると、事業化計画概要書として、企業概要、事業化計画概要、事業費計画、資金調達計画、研究開発者、利益計画などを提出する様になっています。面倒そうに見えますが、これから事業を行なう方なら作っているような内容なので、作成する分には問題ないでしょう。
一方、審査のほうはやや厳しそうです。まず、対象事業について、外部の公設機関による技術評価が行なわれます。この技術評価の評価ポイントがある程度ないと対象となりません。必ずしも特許を取っている必要は無いようですが、新規性や事業化可能性を厳しく審査されます。技術評価がOKの場合、次に利益計画の妥当性が判断され、貸付金の返済に懸念が無いかチェックが行なわれます。その後、定期的に行なわれる審査会にかけられて融資の可否が決まるまで、トータル2,3ヶ月かかりそうです。
過去には年に1,2件が採択になっているそうです。「大学発ベンチャー貸付」だけで1年に何件までという貸付枠は特になく、「21世紀産業創造貸付」の予算の中で枠があれば、受け付けてもらえます。前述のように、技術的な条件などクリアしなくてはいけない部分もありますが、1,000万円まで金利1.5%で無担保という貸付条件はかなり有利な条件といえますので、自信のある方や条件に該当する方で、事業化を進めようという方はぜひ申し込んでみてはいかがでしょうか。
(筆者:佐々木 恵一(38) ササキ財務経営研究所代表 中小企業診断士、証券アナリスト。略歴:金融機関、シンクタンク勤務を経て平成15年7月から開業、事務所は札幌市産業振興センター3階)