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札幌の元気企業

ライラックファーマ株式会社(平成30年2月取材)

代表取締役 須佐 太樹 氏

〒001-0021
札幌市北区北12条西12丁目北海道大学構内
北海道産学官協働センター(コラボほっかいどう)
URL http://www.lilacpharma.com/(新しいウィンドウが開きます)

   北海道大学北キャンパスの敷地内にある
研究施設に入居している

創業 ~アカデミア発の創薬を目指して~

 平成28年度に創業したライラックファーマ株式会社は、大学の研究成果をもとに医薬品の研究開発を行う会社である。同社は北大発ベンチャー企業として認定を受けており、もともと大学の基礎研究を事業化する仕事に携わっていた須佐太樹氏が代表を務めている。

 大学で行われる基礎研究は、病気の原因となる物質を見極め、その物質に作用する医療候補物を見つけてくることが大きな役割である。その後に動物実験などで安全性を確認し、臨床実験を行い、そこから製薬会社と商談をまとめ、やがて製品化される。

「SAPPOROベンチャーグランプリ2015」大賞受賞

「SAPPOROベンチャーグランプリ2015」大賞受賞


 しかし、大学の研究費のほとんどは基礎研究や先端的な研究に使われることが多く、製薬会社が興味を持って開発を行うレベルに達する実験を行うには資金が足りない。そのため、大学が行う基礎研究と製薬会社が行う応用研究の間には大きなギャップが生まれてしまうのだという。

 そうした現状に、須佐社長は大学と製薬会社との橋渡しとなるベンチャー企業を立ち上げ、大学では実施が難しい安全性評価や動物実験などを行っている。起業するにあたって応募した「SAPPOROベンチャーグランプリ2015」では大賞を受賞したほか、NEDO研究開発型ベンチャー支援事業「起業家候補(スタートアップイノベータ―)」に採択されるなど、将来性の高い事業としても評価を受けた。

薬となる種を世に送り出すために

 現在、主にパーキンソン病、悪性腫瘍、エボラウィルス感染症などの研究を行っている。それらの技術的な課題をクリアするための研究をはじめ、他の病気にも利用できるかどうかの探索的な研究も行う。大学の研究結果を使って「多くの薬となる種を世に送り出したい」と取り組んでいる。

 その想いを実現するため、同社には医薬品を作るためのスキルを持った人材や大手製薬会社にも劣らない高性能機器を備えている。「これまでの経験から、研究成果を実際に事業やビジネスに仕上げるのは人なのだと実感しました。人がいないと、どんなに良い研究成果であっても世に出ていかないので“人”を大切にしている」と須佐社長は語る。

 また札幌には医学系の大学や先端的な研究機関があり、医薬品開発をする場所としては可能性のある土地だという。医薬品開発には大きな工場は必要としないため、創薬ベンチャー企業ができれば雇用が生まれ、その会社と取引する企業が集まってくる。そして人や企業が集まればまた新たな産業が生まれ、やがて投資家から資金が投入される。そうしたサイクルができれば地域が潤い発展していくのではないかと、いずれ札幌版“産業クラスター”が起こることを期待している。

「具現化するエキスパート人材」 × 「高性能機器」

今後に向けて

 最近、注目されている「バイオ・再生医療品」は研究や製造コストが高く、こうした医薬品を使い続けていくと現在の医療保険制度では経済が破たんするのではないかと言われている。そこで大手企業が研究し尽くしたと言われている低コストで製造できる「低分子医薬品」の開発を大学の最先端シーズを取り込み、研究を進めている。

 製薬会社も大学の研究を注視しているが、リスクの高い開発にはなかなか手を出すことができない。だからこそ、同社のようなベンチャー企業の存在が重要になってくる。「社会的に意義のあることをやっていきたい」と広い視野を持って日々奮闘している。

「ライラックファーマ」
ライラックの5枚目の花びらを飲み込むと愛する人と永遠に過ごせるという言い伝えから、そうした医薬品を作りたいとの想いを込めて。

企業データ
■会社概要

・設立/平成28年4月18日
・代表者/代表取締役 須佐 太樹
       取締役 堺谷 政弘
       取締役 佐藤 眞紀世
       監査役 村本 太平
・資本金/1410万円
・事業内容/医薬品等の研究開発
      知的財産権の許諾及び売買
      医薬品等の研究開発に係る調査、コンサルティング

■沿革

平成28年03月 SAPPOROベンチャーグランプリ2015 大賞受賞。(須佐太樹名義)
    03月 NEDO研究開発型ベンチャー支援事業(スタートアップイノベーター)採択
平成28年04月 札幌市中央区に会社設立。資本金100万円。内田丈士が代表取締役就任。
平成28年06月 資本金610万円。須佐太樹が代表取締役就任。
        北大ビジネス・スプリング(札幌市北区)に本社移転。
        北大発ベンチャーとして北海道大学より公式認定。
平成29年03月 内田丈士が取締役退任。
平成29年10月 堺谷政弘が取締役就任。
        北海道産学官協働センター(コラボほっかいどう)(札幌市北区)に本社移転。
平成30年01月 資本金1910万円(資本準備金500万円含む)
        佐藤眞紀世、村本太平が取締役、監査役就任。