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札幌の元気企業

田井自動車工業株式会社(2010年7月取材)

取締役社長 田井 秀典 氏

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〒007-0885
札幌市東区北丘珠5条4丁目3番1号
TEL(011)783-2550 FAX(011)783-2224
URL http://www.tai-jidosha.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
『丁寧に』作り上げられていく車両達

『丁寧に』作り上げられていく車両達

自動車整備工場から消防自動車製作へ

田井自動車工業株式会社、同社の基礎となったのは大正13年に始まった個人経営の整備工場だった。当初は自動車自体がまだ珍しく、自動車整備と自動車運転の技術を教える学校としてスタートした。戦前は、トラックやバスなどを本州から北海道に船で運んでいたが、輸送時に車両が傷み、使い物にならないなどの問題が生じたため、車両の製作に着手することとなった。バスやトラックをメインに製作を行っていたが、戦後は車両整備やディーラー事業などを手がけた。その後、輸入した消防自動車の整備業などを経て、消防自動車製造の看板を掲げることとなり現在に至っている。

一番大切なのは『丁寧に』ということ

『丁寧に』作り上げるスタッフ一堂

『丁寧に』作り上げるスタッフ達

消防自動車は消火活動を行う。しかし、札幌という寒冷地では従来の型通りの車両を使用していたのでは支障があった。昭和59年、当時消防自動車に積載されていた梯子は鉄製の非常に重たいものだった。冬になると車両や地面に凍りがつき、梯子を降ろす作業だけで5人もの人数を必要とし、迅速な消火活動の妨げとなっていた。相談を受けた同社は試行錯誤の末、油圧と電気を利用した『積載梯子の昇降装置』を作りあげた。また、資機材を取り出す開口部には観音開きの扉が使用されており、ホースを持って消火活動をする際引っかかることもあり危ない、との相談を受けたこともあった。その際も同社は案を出し合い、車庫のシャッターからヒントを得て、試作を繰り返して活動の妨げになることなく収納できるシャッター式の扉を開発した。梯子の昇降装置もシャッター式の扉も国内では同社が初の試みで、後に同じような機能・仕様の車両が全国的に広まったという。
同社が常に心がけているのは『丁寧に』ということ。製造過程ではもちろんのこと、客先からのヒアリングも丁寧に行う。消防自動車はただ消火が出来ればいいわけではない。使用するその市や町に合った仕様を1台1台作りあげる。こちらで有効な仕様が、違う町でも有効とは限らない。だからこそしっかりと話を聞くことが大事だ。
また同社では営業・設計・鉄工・木工・溶接・塗装・配線や油圧装置に至るまで様々な分野のスペシャリスト達が製造に当たる。だからこそ自信を持って丁寧に作り上げた製品を納入することができ、他社では対応しきれないような特殊な要望にも応じることができる。田井社長は語る、「どんな難しい要望も話だけで断ることはせず、どうすれば対応できるのかをじっくりと検討し、満足してもらえるよう努力する」。また、最近では道内だけではなく東北、関東、果ては九州からの発注もあるとのこと。それは「『丁寧に』をモットーに作り上げる当社の姿勢、製品を評価して頂いているからではないか」と力強く語った。

エコ・環境に配慮した車両を目指して

同社では最近『エコミキシングシステム』を開発した。この装置はエンジン回転を動力に変換する際に使用する。救助工作車というクレーンやウィンチ、照明を搭載している車両がある。従来、照明をつけるための発電には、エンンジン回転数を1500回転ほど必要としていた。しかし、それには騒音や燃料などの問題があった。そこで低回転で静かに発電できるシステムの開発に取り掛かった。発電機自体の性能を上げ、積載の装置も低回転で稼動するよう改良を重ね、この『エコミキシングシステム』を作り上げた。同システムを積載した車両はすでに道内を走っており、日夜活動を行っている。同社は、これからも環境に配慮した車両作りを目指していく。

札幌市内で日夜消火活動に励む車両

日夜札幌市内で活躍している車両

企業データ
◆会社概要

設立/昭和11年(1936年)4月 (創業大正13年)
代表者/取締役社長 田井 秀典
資本金/3,000万円
従業員数/48名(2010年7月現在)

◆沿革

大正13年       札幌市中央区南5条西11丁目に於いて田井直治個人経営の自動車整備工場を開設する。
昭和02年       消防自動車試作に着手する。
昭和03年       日本ゼネラルモーター会社サービス工場を併設する。
昭和04年       札幌市中央区南8条西11丁目1279番地に工場を移転する
昭和06年       アメリカノーザン会社と技術提携する
昭和11年       田井直治個人経営を田井自動車工業株式会社に組織を変更する
田井直治(初代)代表取締役社長就任
昭和15年       消防ポンプ製作及び消防ポンプ自動車製作に着手完成する
昭和18年       商工省令により主要工場に指定される
昭和20年       運輸省監督工場の指定をうける
浪花精機株式会社、第一札幌自動車部品販売株式会社及び中野製作所を合併する
昭和23年       企業再建整備計画の申請を許可され、同計画に基づき資本を増加する
昭和24年       運輸省より3万キロ自動車1級重整備工場に認可される
昭和25年       タービンポンプ試作に着手する
昭和33年09月    国家消防本部消防研究所の動力消防ポンプ検定規定に合格する
昭和38年01月    市原ポンプ産業株式会社との間に北海道地区特約店並びに北海道地区サービス工場を契約締結する
昭和38年03月    市原ポンプ産業株式会社の分工場として消防自動車ポンプ部を増設する
昭和38年06月    札幌陸運局(現北海道運輸局)より指定自動車整備事業所に指定される
昭和43年10月    札幌市白石区東札幌1条1丁目8番13号に本社社屋並びに工場を新築移転する
昭和46年01月    日本機械工業株式会社との間に代理店並びに北海道分工場としての契約をする
昭和46年09月    田井商事株式会社との間に当社の消防自動車の販売・納入に関する委託契約をする
昭和53年07月    範多機械株式会社とサービス指定工場の契約を締結する
昭和58年04月    旭川市大雪車両工業株式会社とサービス業務委託契約を締結する
昭和60年02月    札幌市から北丘珠地区工業団地の用地を取得する
昭和61年06月    豊和工業株式会社から、同社の指定サービス工場に指定される
平成04年10月    札幌市東区北丘珠5条4丁目3番1号に工場を新築移転する
平成05年09月    本社を札幌市東区北丘珠5条4丁目3番1号に移転する
田井直典(二代目)代表取締役社長就任
平成08年03月    田井商事株式会社と当社の消防自動車の販売・納入に関する委託契を解除する
平成08年04月   旭川に出張所を設置する
旭川市豊岡5条4丁目1番16号  電話:0166-31-2211
平成08年04月   株式会社重松製作所との特約店の契約を締結する
平成10年04月   桜ホース株式会社と代理店の協定を締結する
平成12年12月    田井秀典(三代目)代表取締役社長就任
平成14年09月   札幌市より第2種特定製品(フロン類)引取業者として登録される
登録番号第100472号 有効期限 平成19年9月16日
平成14年09月   ISO9001の認証を取得する
平成15年12月   旭川出張所を廃止
平成18年06月   「連結送水管耐圧試験」業務を開始

◆販売先

札幌市他道内各市町村
道内各消防組合
北海道開発局
東日本高速道路(株)
自衛隊
航空局
出光興産(株)
他の一般民間会社

(2010年7月取材)