ホーム > 札幌の元気企業 > 50音別索引

札幌の元気企業

田尻機械工業株式会社(2008年5月取材)

代表取締役社長 田尻 耕一 氏

tajiri_p
〒060-0033
札幌市中央区北3条東8丁目8
TEL(011)281-5271 FAX(011)222-5874
URL http://www.tajirikikai.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
ハイブリッド型低温貯蔵システムの模型

ハイブリッド型低温貯蔵システムの模型

エネルギーとCO2排出を大幅削減
氷雪を利用した輸送システムの開発

tajiri_sub02氷の冷熱を利用した省エネルギーな輸送システムで北海道の農産物を新鮮なまま全国へ。それが、札幌市ものづくり産業活性化支援事業に採択された「しばれ氷冷便」である。
馬鈴薯や玉ねぎ、トウモロコシなど北海道を代表する農作物の多くは本州へ出荷される。気温が高い夏場などは、保冷剤やエンジン付冷凍機を使った保冷車で 輸送されるのが一般的だが、近年は運用コストの増加やCO2排出等の問題が大きな負担となっている。そこで、研究機関との共同研究開発等により蓄積してき た熱関連の環境調節のノウハウを活かし、氷の冷熱を利用してコンテナ内の温度・湿度を一定に保つ輸送システムを開発。氷は冬期の低温外気を利用して作り、 夏期は割安な深夜電力を使って製氷する。氷を収納した氷函ユニットを設置した庫内は常に温度5℃以下、湿度80%以上に保たれ、野菜などの鮮度維持に効果 を発揮。馬鈴薯100トン(年間)を輸送した場合、従来方式に比べCO2が約25.8%、消費エネルギーは約26.0%削減できる。
本事業では07年8月から氷函ユニットの開発とJRコンテナを利用した屋内実験を実施。さらに08年3月には氷函ユニットを装備したJRコンテナで馬鈴薯と玉ねぎの鉄道輸送実験も行った。今後は実験データをもとに氷函ユニットの更なる改良に取り組む。

道産品の競争力を高める鮮度保持技術

tajiri_sub01「しばれ氷冷便」のベースとなってい るのは、同社と北海道電力(株)が共同開発したハイブリッド型低温貯蔵システムである。馬鈴薯や玉ねぎなどの貯蔵庫用に開発されたもので、農協や倉庫業者 などに営業活動を展開中だ。輸送システムの開発は、この技術を物流段階にまで広げることで、貯蔵から流通までトータルに品質管理することを目指している。 現在、本州の大手スーパーと提携し、道内から首都圏の配送センターまでのルートについては事業化の道も開けている。同社社長の田尻耕一氏は「今後はさら に、配送センターから各店舗までのルートもカバーできるよう応用範囲を広げていきたい」と構想を語る。
省エネルギーやCO2削減など環境に配慮した輸送システムは、時代のニーズに応える技術として今後ますます注目されるだろう。ハイブリッド型低温貯蔵庫 による鮮度維持技術と環境性能についてはすでに実績があり、「しばれ氷冷便」では運用コストの面でも保冷剤や冷凍機に引けを取らないレベルに達している。 次の目標は鉄道輸送の事業化と、さらなる省力化・効率化であり、この点についてもより一層の創意工夫が続けられている。

企業データ
会社概要

設立/昭和32年(1957年)1月
代表者/代表取締役社長 田尻 耕一
資本金/2,500万円
売上高/6億円(平成18年12月期)
従業員数/24名(平成19年1月現在)

沿革

昭和32年 創業
昭和35年 株式会社設立
昭和45年 本社移転
平成4年 資本金2,500万円に増資
平成18年 社屋建替

取引先

北海道電力(株)
北海道大学
ホクレン農業協同組合連合会
北海道農業試験場
サツラク農業協同組合
日本製紙(株) など

開発実績・製品

・しばれ氷冷便(雪氷利用輸送システム)
・ハイブリッド型低温貯蔵システム(倉庫タイプ)
・アイスシェルター
・農産物貯蔵システム(低温高湿保存庫)
・花き・野菜局所冷蔵育苗システム
・−80℃低温室

事業内容

温度・湿度・清浄・気圧・換気など熱関連の応用全般にわたる環境調節設備の開発・製造・販売

(2008年5月取材)