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札幌の元気企業

株式会社ホクドー(『札幌の技術2004年情報・バイオ編』掲載)

代表取締役社長 釜田 悟 氏

〒063-0849
札幌市西区八軒9条西10丁目4番28号
TEL(011)641-7507 FAX(011)644-9209
URL http://www.hokudo.co.jp(新しいウィンドウが開きます)
代表取締役社長 釜田 悟さん

代表取締役社長 釜田 悟さん








ITとバイオとナノテクの融合で
 新たな細胞計測分野への展開を図る

生きた細胞の管理で抜群の技術力

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創業時から大学の実験研究素材の供給や製薬会社の薬品開発のサポートを行っていたが、現在では、北海道内で実験素材販売のエージェントとして実験の機器管理、施設、導入のトータルコンサルティングまで幅広く手がけ、さらにライフサイエンスのサポートをスローガンに新分野での市場開拓に取り組んでいる。売上はこれまでバイオサポート関連が主力だったが、細胞関連や抗体作製がメイン商材になりつつある。引き合いはほとんど道外からで凍結細胞は米国にも出荷している。
 当社の重要なテーマである「プライマリーカルチャーセンター」は、動物から必要な細胞を取り出しユーザーに届ける事業である。細胞販売の会社は多いが凍結した細胞しか供給していない。肝細胞のように凍結できない生きた細胞を生きた動物から機能を維持した状態で届けられるのは世界広しと言えどもこのホクドーだけである。
 また、ホクドーでは、取り扱いが非常に微妙な内臓脂肪の培養キットを国内で初めてオリジナル商材として発売した。脂肪細胞になるプロセスを因子レベルで解明し、培養液等の部分の特許ノウハウを保持しており、ダイエットや糖尿などにも大きく貢献すると考えられる。
 生きたままの細胞は管理が難しく、体温状態でないと生きられないような細胞を送る物流システム自体が現在は存在しないので、道外に空輸など物流も困難を極める。したがってビジネスが成長すれば全国に供給拠点をつくるべく将来的な検討も視野に入っているという。
 従来は動物の生体反応を利用し手間をかけて作製していた抗体作製も、遺伝子解析が進み、ポストゲノムにおける蛋白や糖鎖の登場で抗体の存在が重要視され、ここ数年需要も伸びている。

新たな細胞計測の将来性を企業連携が生み出す

さて、今、もっともホクドーが将来に向けて注力しているのが「細胞の計測」である。世界的には細胞から直接生物情報を得るセルベースアッセイ(計測)が中心だが、今後は新薬の開発に必須なシステムとしてティシュベースアッセイ(生きている組織を使って情報を得る細胞計測)が非常に重要になる。さまざまな細胞が混在の状態で測定できる組織自体を供給するわけだ。そこからさらに新薬開発のための動物実験計測になり、そして臨床、治験になる。この計測技術ができればITチップを動物自体に埋め込んで、動物の体内に神経に毒性があるかどうかを数値的に解析できるようになる。そうした状況の中で、生きたままの細胞の計測がホクドー以外に存在しないため、国内の大手製薬会社が支援している。
 しかし、細胞の計測に関しては、ホクドーだけではできない。IT技術の活用も必然となる。そこでホクドーでは細胞ダイレクトアッセイ研究会を設立。今後は、道内に限らずITなど多様な企業との連携をする一方で人材育成が重要であるため、バイオとITの言語圏の重複する人材に注目している。

【TOP INTERVIEW】
ライフサイエンスを実践できる人材育成を

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<<代表取締役社長 釜田 悟さん>>
 弊社では、生命科学研究の総合サポートをビジョンとして掲げています。20年も前からこういう構想を持っていたのですが、当時はキーワードが漠然としていてなかなか受け入れてもらえませんでした。また研究活動サポートのほかに営業、宣伝などまでする余裕もなかったのです。
 現状のこの分野ではサービスモデルが完成していないと思っています。ゲノムがほとんど解読された現在、ゲノムよりも現代のライフサイエンスにマッチしたものが求められており、よりポストゲノム的な仕事に踏み込むことになるでしょう。そういう意味では、構想だけではできない業務といえます。生きている動物に関する理解だけではだめ、細胞のことだけでもだめ、科学だけでもだめ。すべての面で実践的なもの。それを私たちは確立させようとしています。そのためには特に研究者の人材が重要で、さまざまな分野からの専門家を積極的に登用しています。

企業データ
会社概要

設立/昭和49年(1974年)8月
代表者/代表取締役会長 永井 夘一郎

     代表取締役社長 釜田 悟

資本金/4,950万円万円
従業員数/32名

事業内容

実験動物・実験動物用飼料・理化学機器・試薬類・実験器具の販売、免疫抗体の製造及び販売、研究試薬(蛋白品・測定キット)・培養細胞の製造及び販売、飼育管理及び実験の受託

(『札幌の技術2004年情報・バイオ編』掲載)