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札幌の元気企業

株式会社小山製麩所(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)

代表取締役社長 小山 松男 氏

〒060-0005
札幌市中央区北5条西11丁目 第2小山ビル
TEL(011)221-5612 FAX(011)221-6733
URL http://www.fu-yuba.co.jp(新しいウィンドウが開きます)
同社の商品群。 右の「熊笹麩饅頭」は北海道加工食品フェアで 優秀賞も受賞した

同社の商品群。 右の「熊笹麩饅頭」は北海道加工食品フェアで 優秀賞も受賞した





麩・湯葉・惣菜・店舗運営と
4つの事業を柱に安定経営
創業百年の食品製造企業が積極的経営で躍進

道内で馴染みの薄い生麩生産で事業拡大

(株)小山製麩所は、明治42年(1909年)の創業以来、一貫して食品製造企業としての信頼と実績を積み重ねてきた。
現在は、焼・生麩の製造事業から、湯葉、豆乳、豆腐などの大豆加工食品製造事業、麩と湯葉を使った惣菜製造事業、それらの商品が購入できる直営店、そして食べることができる飲食店経営と、4つの事業柱で好調な経営実績を積み重ね、麩・湯葉については道内シェア9割を誇っている。同社がこのような実績をあげている背景には、北海道に馴染みの薄い生麩・湯葉を他に先駆けて製造してきたことが挙げられる。
 そもそも同社は、明治の創業時は焼麩専門業者として事業を行っていたが、戦争中からは一時製麺業に転向。その後昭和28年からは焼麩を専門とする業者として営業を続け、昭和36年(1961年)に株式会社となった。
 現在の小山社長が入社したのは昭和41年で、これ以降同社は家内工業的事業から、企業としてのより積極的な事業展開に移行し、躍進を遂げた。
 同社が飛躍する第一のきっかけとなったのは、それまで焼麩一本だった商品に生麩を加えたことである。「当時焼麩を売るために道内の小売店などを回っていましたが、徐々に売上げが下がっていくばかりでした。そこで、それまで時々受注生産をしていた生麩を定番商品に加えることにしたんです。生麩はこれまでの製造工程を生かして作れることに加え、焼麩に比べると非常に利益率の高い商品だったのです」と小山社長は当時を述懐する。
 当初は、よもぎ麩、あわ麩、もみじ麩、さくら麩などを作って温泉旅館などを中心に営業を行っていった。そして大型温泉ホテルの料理長の目に止まり、1日 1000個~1300個のかぼちゃ麩の受注契約をとりつけた。これが昭和56年のことで、以来同社の生麩生産事業が本格的に軌道に乗り始めた。それまで本州の企業が生産を引き受け、手に入るまで時間がかかっていた生麩を北海道の企業が製造・販売できるという情報は瞬く間に北海道中の和食料理人の間に広まり、生麩は焼麩に代わって同社の主力商品として成長を遂げた。


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▲生麩の製造風景          ▲本社湯葉の生産風景。        ▲ホテル向け惣菜の生産風景
                  1回で100枚の湯葉が一度に生産できる            


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▲手まり餅製造風景         ▲焼麩製造風景           ▲キッチン部門で打ち合わせる
                                     小山社長(右)      

湯葉生産に乗り出し商品構成も充実  小売・飲食部門への進出で一般市場にも攻勢

「北の麩本舗」店内風景

「北の麩本舗」店内風景

安定した生麩の生産・販売を続けていた同社が、さらなる躍進を求めて市場開拓をすすめたのが湯葉である。
 道内で唯一といっても過言ではない生麩製品の売れゆきが好調で、営業のために全道を回っているうちに次なる新商品の開拓が必要と実感したからであった。
 「営業先が同じで、生麩同様北海道で誰も作っていない商品をと考えたのが湯葉だったんです」という小山社長のアイデアで、昭和60年頃から本格的に湯葉の製造を開始した。旅館やホテルの和食部門を顧客に持っていたことから、潜在的なニーズがあることに気づき、事業に乗り出したのである。
 この狙いがあたり、やがて湯葉生産も軌道に。製造過程での殺菌や真空包装などの技術も導入して日持ちのよい商品生産も可能になり、注文が殺到するようになった。さらに湯葉の製造から、昨今の健康志向を鑑みて豆乳、豆腐の製品化へも発展させていき、麩と湯葉という経営の2本柱を確立することに成功した。
 経営基盤が確立され、小山社長が次に打ち出した戦略は小売り向けに商品展開をしていくことだった。生麩も湯葉も、北海道の一般家庭ではあまり馴染みのない食材だが、小売店舗を設け、自ら販売を行うことで一般向けに同社の商品を普及していこうと考え、平成6年に、本社ビルの1階を改装して小売店舗「北の麩本舗」を開店した。翌平成7年には、要請に応える形で三越札幌店にも出店。
 その後、小売店舗に加えて湯葉工場を併設した飲食店「北の麩庵」を西野に開店させた。そして、これらの動きに目をとめていた大丸デパートが、平成15年の札幌出店に伴い飲食店舗と小売店舗出店の話を持ち込み、同社もこれを快諾。現在に至っている。
 業務用・一般小売用と、さまざまな顧客ニーズに合わせた柔軟な営業戦略と商品開発により、今後とも同社は北海道で高いシェアを確保し続けていくだろう。

【技術者 INTERVIEW】
生産工程の分業化で職人技術をライン化しています 北海道に馴染みの薄い食品づくりにやりがいも

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<<湯葉・豆乳製造 吉崎 淳さん 平成11年入社>>
 平成11年に入社して、いまは豆乳や湯葉の製造と製造管理をしています。これらの製品は機械化できないものばかりで、パートの方々と一緒に丁寧につくっていきます。
 生麩や湯葉の生産といえば職人的要素が強いイメージです。確かに本来京都だったら職人さんが作りますが、難しいところは職人が、作業を標準化できるところはパートさんがやる、というように作業工程を分割したところが社長のすごいところですね。
 私の仕事は湯葉や豆乳生産の製造管理も行うので、季節によって大豆を水に浸す時間などを変えたりしながら品質の保持に努めています。
 いまは工場が新設されたばかりなので、新規のパートさんも含めて、落ち着いて生産の安定供給の体制をとるのが目標です。
 いずれにしろ北海道ではあまり馴染みのない商品ですが、それだけに面白みがありますね。これからも皆様の健康づくりに役立つ美味しい大豆商品を作っていきたいと思っています。

企業データ
会社概要

創業/明治42年(1906年)6月
設立/昭和36年8月
代表者/代表取締役社長 小山 松男
資本金/2,500万円
従業員数/110名(正社員72名、パート38名)

事業内容

生麩、焼麩、湯葉、惣菜など食品製造卸、飲食店・小売店経営

(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)