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札幌の元気企業

北海道醤油株式会社(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)

代表取締役 福山 耕司 氏

〒065-0043
札幌市東区苗穂町2丁目3番1号
TEL(011)753-4333 FAX(011)753-4336
URL http://www.tomoechan.co.jp(新しいウィンドウが開きます)
福山醸造の本社社屋。 これに隣接して北海道醤油の工場が広がる

福山醸造の本社社屋。 これに隣接して北海道醤油の工場が広がる





歴史と伝統を受け継ぎながら
 時代を見据えた“トモエ製品”を開発

創業は明治24年醤油づくりで道内最古の歴史

北海道醤油で作られるている製品群(現在は1升瓶タイプは製造していない)。 このほかにカップ入りみそ汁、弁当・惣菜用のミニパック入り醤油なども製造している

北海道醤油で作られるている製品群(現在は1升瓶タイプは製造していない)。 このほかにカップ入りみそ汁、弁当・惣菜用のミニパック入り醤油なども製造している

北海道醤油(株)は、福山醸造(株)の醤油製造部門を担う直系企業。その福山醸造の歴史は非常に古く、明治24年(1891年)、福井県出身の創業者が北海道に移住し、福山商店として味噌・醤油づくりに着手したのが第一歩である。道内の味噌・醤油製造業の中で最も歴史ある企業だ。
 社名を現在の福山醸造(株)にしたのは昭和30年のこと。その前の商号がトモエ醤油(株)だったこともあり、同社製品には今でも「トモエ」の名が冠され、一般消費者にはトモエの味噌・醤油として広く親しまれている。
 業績を伸ばす中、昭和47年に味噌の製造を北海道味噌(株)に、同50年に醤油の製造を北海道醤油(株)に移管。製造部門を独立させたことで、より安定した供給体制と品質管理体制を整えた。特に品質管理には力を入れており、両工場ともISO9002の認証を取得している。営業を統括する福山醸造は東京、大阪にも支店を持ち、北海道で生まれ育った味噌・醤油は、全国へと販路を拡大している。

主力商品「トモエ日高昆布しょうゆ」

発売から10数年で主力商品に成長した「トモエ日高昆布しょうゆ」。 右が塩分カットタイプ

発売から10数年で主力商品に成長した「トモエ日高昆布しょうゆ」。 右が塩分カットタイプ

北海道醤油(株)では現在、年間約9,000klの醤油を生産している。そのうち6割強が業務用で、タレ製造会社やラーメン店などに納入している。
 家庭用商品の中で今最も力を入れているのが「トモエ日高昆布しょうゆ」だ。これは同社従来の醤油に日高産の昆布からとっただし汁を加えたもので、平成2 年頃から本格的に販売を開始した。昆布のコクと香りが醤油本来の旨味と調和する同商品は、人気を徐々に拡大。当初は塩分13%タイプだけを製造していたが、後に消費者ニーズに応えて塩分9%の減塩タイプを発売し、日高昆布しょうゆはさらに売り上げを伸ばすところとなった。今では同社の主力商品に成長し、道内のみならず関東、関西方面へも流通している。
 このほか同社では「一番しぼり」「特級」「甘口」など各種醤油と、つゆ、タレなどを製造している。ひと昔前までこれらは主に1升瓶で売られていたが、消費者や小売店の声を反映し、軽くて持ちやすく壊れる心配の少ないペットボトルへと業界全体がシフトしている。こうした時代を見すえ、同社では1 升瓶による製造を中止。各種サイズのペットボトル充填装置を新設・拡充するとともに、日高昆布しょうゆの消費拡大に合わせたライン増設や高速化など、機械設備面でも段階的に整備を進めている。なお、平成3年には配送センターを完備し、作りたての商品を迅速に供給する体制も築いている。

伝統の味を守り通す「醗酵蔵」

原料サイロ。入荷したバラ積みの大豆は原料サイロに貯蔵され、自動計量器をへて処理装置に送られる

原料サイロ。入荷したバラ積みの大豆は原料サイロに貯蔵され、自動計量器をへて処理装置に送られる

醤油の主原料は大豆と小麦。北海道醤油では、大豆にアメリカ産脱脂加工大豆を使用。昨今、遺伝子組み替えの農産物が問題視されているが、安全性を追求し農場との個別契約で100%非遺伝子組み替え大豆を仕入れている。また小麦に関しては100%道内産の小麦を使用している。
 醤油は醗酵、圧搾、殺菌などの製造工程をたどる。現在では同社に限らず、工程のほとんどが機械化されており、コンピュータによる管理体制が敷かれている。そんな中、同社の特徴として挙げられるのが、大正時代から代々続く醗酵蔵を利用していること。大豆と小麦で作った醤油麹を醗酵させるための蔵で、ここに住み着いている酵母菌や乳酸菌が独自の風合いを出すのだという。機械化、コンピュータ化が進む中にあっても、醤油づくりへのこだわりと伝統がしっかりと受け継がれているのである。

【技術者 INTERVIEW】
食卓に安心をお届けするために専門のスタッフが出荷前に厳しい品質検査を行っています

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<<取締役工場長 松田 郁夫さん 昭和45年入社>>
醤油を桶で作っていた時代には職人の腕や人手に頼る部分が大きかったと思います。機械化が進んだ今は、ラインの要所要所に配置された人が、機械やシステムの管理を中心に仕事を進めますから、あまり人手をかけず出荷まで効率よくスムーズに流れていきます。ただし、食卓に安心をお届けするために、出荷前の商品は専門スタッフが厳しく検査するなど、品質管理は万全を期しています。もちろん品質管理部門の社員は微生物に関することなど専門的な勉強も行っていますし、採用の段階でも専門性を考慮しています。どの部署で働くにしろ、醤油は和食の基礎となるものですから、基本的には和風の味覚を好む人が望ましいですね。新商品を開発する上でもそうした人の意見は貴重です。会社としては新商品開発にも取り組みながら、主力商品である「日高昆布しょうゆ」をさらに普及させていきたいと考えています。

企業データ
会社概要

創業/明治24年(1891年)11月
設立/昭和18年(1943年)6月
代表者/代表取締役 福山 耕司
資本金/8,500万円
売上高/36億5,000万円(平成14年度決算)
従業員数/200名(平成15年11月1日現在、パート含む)

事業内容

醤油、味噌、加工食品の製造・販売
※上記会社概要は北海道醤油(株)の母体である福山醸造グループのものです。

(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)