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札幌の元気企業

株式会社三晄プレコンシステム(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)

代表取締役 登坂 仁 氏

〒062-0020
札幌市豊平区月寒中央通1丁目2-14
TEL(011)852-5221 FAX(011)852-5155
URL http://www.sanko-precon.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
製造拠点の千歳工場

製造拠点の千歳工場





外壁等建築用コンクリート部材に特化
技術力背景に耐震性など高い性能と品質を実現

PCCW工法で建築の工業化に対応

工場で製造された外壁の取り付け

工場で製造された外壁の取り付け

近年、さまざまなデザインを施したビルやマンションが建設されているが、同社はビルの外壁など建築用部材の専門企業として、複雑な造形に対応した耐震性や安全性に優れたコンクリート製外壁の設計から製造、施工までを行っている。また、新たな展開として長年培ってきた外断熱工法による省エネルギー化への技術開発にも取り組んでいる。
 同社は、昭和33年(1958年)に道内でいち早く建築用ブロックメーカーとして設立し、火山礫を利用した建築用空洞コンクリートブロックを主に生産。奈井江と江別の火力発電所建設時にはコンクリート外壁を手がけている。昭和43年(1968年)に千歳工場での操業を開始してからは、それまでのブロックを積み上げる工法から、鉄筋コンクリート外壁分野に特化し、工場で製造した外壁を建築現場で取り付けるPCCW(プレキャスト・コンクリート・カーテン・ウォール)工法を主力に、建築工業化のニーズに対応している。

高い精度を実現する検査体制

PCCW工法は、タイルや御影石、各種塗装などを施したコンクリート製の外壁パネルをビルの鉄骨に取り付けていくもので、パネル1枚は2トンから10トンという重さがある。この工法は工期の短縮やコストダウンが図れるほか、耐水性、気密性、防火性、遮音性に優れ、免震構造によって振動を拡散させるため地震にも強い。
 また、通常のコンクリートよりも流動性の高い特殊なコンクリートを使用しているため、複雑なデザインに対応できるのが大きな特徴。工場段階で外壁パネルに金属や樹脂サッシ、ガラスを取り付ける工法も高い評価を得ている。
 受注から製品化までの基本的な流れは、設計から図面の作成、型枠の製作、鉄筋の取り付け、コンクリートの打ち込み、養生、脱型、表面仕上げとなる。この間、コンクリート強度の設定、調合をはじめ、強度試験や寸法検査など一つひとつの作業工程ごとに、キャリアを積んだ技術者による厳しい検査が行われる。この厳格な品質管理体制が、誤差の少ない精度の高さを誇る同社の信頼の礎である。
 これまで札幌駅南口の商業ビルや道警本部庁舎、新千歳空港ビルといったオフィスビルやホテル、公共施設など多くの高層ビルの施工に携わっており、札幌コンサートホール「Kitara」の天井PC板、高層マンションに用いられる床材やバルコニー部材なども同社で製造している。社員のほぼ9割は生産、設計の技術者で1級建築士やコンクリート主任技士などの資格を持っている。

省エネルギー化へ向けた技術開発も

設計技術が高品質な製品づくりに欠かせない

設計技術が高品質な製品づくりに欠かせない

 こうした技術力を背景に、平成15年度の経済産業省の創造技術研究開発事業で「多機能複層PC板の開発」が採択された。これは外断熱性能をPCCWに付加するもので、同社が15年ほど前から取り組んできた外断熱工法と PCCW工法をマッチングさせ、中高層ビルの省エネルギー化を可能にするのがねらいだ。現在8名ほどのプロジェクトで開発を進めている。また、同社工場の見学をきっかけにして、中国国営企業への同社の技術協力が検討されている。

【技術者 INTERVIEW】
製品が完成するまでの緊張感が 技術者としてのやりがいに

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<<営業部次長(企画開発グループ) 田中 和博さん 昭和55年入社>>
 大学時代に学んだ建築の技術を活かせる仕事につこうと思ったのが入社のきっかけです。現在は当社の技術を営業に結びつける営業部ですが、一昨年までは設計を担当していました。いろんなデザインの外壁に合わせて、耐震や耐風などの性能面のデータをコンピュータなどで計算し、一つ一つ確認しながら図面を書いていました。
 外壁は、それぞれの工程で技術者の力が必要になります。工場でできた製品が無事建物の一部となり、実際に地震などがあっても問題がなかったとき、正直、技術者としてホッとします。設計や製造段階で細かいチェックをするので製品に対する自信はあるんですが、完成するまではミスや事故がないかという緊張感がいつもあります。その緊張感と完成したときの充実感が技術者としてのやりがいなのかもしれません。

企業データ
会社概要

設立/昭和33年(1958年)4月
代表者/代表取締役 登坂 仁
資本金/7,200万円
売上高/14億8,000万円(平成14年度)
従業員数/40名

事業内容

プレキャスト・コンクリートの設計・製造・施工

(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)