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札幌の元気企業

株式会社日伸テクノ(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)

代表取締役 柴田和夫 氏

〒004-0069
札幌市厚別区厚別町山本1063番地785号
TEL(011)892-7266 FAX(011)892-7344
URL http://www.nissintechno.com/(新しいウィンドウが開きます)
地中熱を利用したロードヒーティング

地中熱を利用したロードヒーティング





ボーリング工事の技術力を背景に
 地中熱利用システムの普及を図る

長年の掘削技術に定評

岩盤層でも精度の高い掘削ができる 小口径管推進工法「ドリルモールシステム」での工事

岩盤層でも精度の高い掘削ができる 小口径管推進工法「ドリルモールシステム」での工事

 二酸化炭素の削減など地球温暖化に対する取り組みがさまざまな分野でみられるが、同社は長年にわたるボーリング工事の技術力を背景に、環境に負荷をかけないクリーンエネルギーとして注目されている「地中熱」を利用したシステムの普及を積極的に進めている。
 工事ボーリングには、大きく地質・温泉・下水・土木の4分野がある。戦後間もなく、道北の利尻町で井戸の掘削からスタートした同社は、その後、下水道分野へと事業を展開し、現在は地滑り対策・治山・基礎杭などの公共工事でのボーリングをメインに、温泉ボーリングを除くボーリング事業を行っている。
 同社は垂直、水平、湾曲など掘削場面に対応した各種ボーリング技術で定評があり、技術開発力を示す一つとして掘削機械のビット(先端のドリル)部分で2 つの特許を取得していることが挙げられる。また、水道やガスなどの管工事では市街地でしかも建物の間を縫うような工事が必要とされるが、地中を横方向に掘る小口径推進工法は、あらゆる硬さの地層に対応できるもので、同社の主力部門となっている。

浅い部分の地熱を利用するグランドソースヒートポンプシステム

ヒートポンプ

ヒートポンプ

 日本の地盤は断層や地下水を含む複数の地層が複雑に重なるため高度な掘削技術が要求される。そのため同社では、1992年頃から硬い岩盤の掘削技術では先進地のスウェーデンへの視察や技術取得を積極的に行い、現地機械メーカーとも技術協定を結んでいる。そうした海外との交流を契機にスタートしたのが、すでに欧米で普及している地中熱利用システムである。地中熱利用には、高度な掘削技術が欠かせないことが同社が取り組む大きなきっかけとなったわけである。
 現在普及に力を入れているのは、場所を特定せず地下50~100メートル程度の浅い部分の地熱を利用する「グランドソースヒートポンプシステム」と呼ばれるもので、地中に特殊なパイプを挿入し、その中の不凍液をヒートポンプで循環させることによって熱交換を行い、暖房・冷房・給湯・融雪を行うシステムだ。
 このシステムの大きな特徴は、従来の灯油ボイラーなどに比べてランニングコストが安価で、しかも耐用年数が長いことや、化石燃料を使わず地中熱を利用するため環境保全と省エネに優れていること、また、北海道のような寒冷地でも季節や日照時間に関係なく安定的な熱源が確保できることである。

初期の設置コストの削減図り普及目指す

 同システムは平成12年(2000年)から本格的な実用化を開始し、これまで戸建て住宅の融雪やロードヒーティングなどで利用されているほか、新たに農作物栽培のエネルギー源として導入が進められており、将来的には地域暖房システムや産業分野など多方面での活用も期待されている。ただし、今のところ日本ではこのシステムを導入する場合、従来のボイラー式暖房機などと比べて設置費用が高いことが大きな課題となっており、同社では今後、設備と掘削コストの削減を図ることにより普及に弾みをつけたいとしている。



グランドソースヒートポンプシステムによる冷暖房・給湯の仕組み

グランドソースヒートポンプシステムによる冷暖房・給湯の仕組み

【技術者 INTERVIEW】
可能性広がる地中熱利用システム 人との交流も魅力です

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<<環境・資源部 係長 広松 淳さん 平成12年入社>>
 工業大学の機械科を卒業しましたが、何か変わった仕事はないかと就職活動していた時に出会ったのがこの会社です。ボーリング工事や小口径推進工事がどんなものか興味がありました。現在は地中熱を利用したシステムの設計だけでなく、システムをお客さんに紹介する営業活動も行っています。例えば住宅で暖房や融雪用にヒートポンプシステムを採用する場合、ボーリングの深さやランニングコストを自分で計算してお客さんに提案し、工事からアフターまでトータルで行っています。実際に自分が手がけたシステムで雪が解ける様子を見ると正直うれしいですし、充実感につながります。
 地中熱利用はまだ新しい分野ということもあり、いろいろな分野での広がり、可能性を秘めていますので面白味があります。仕事を通じて違う業種の人と多く知り合えるのも、この仕事の一つの魅力です。

企業データ
会社概要

創業/昭和25年(1950年)4月
設立/昭和47年(1972年)11月
代表者/代表取締役 柴田和夫
資本金/1,000万円
売上高/約11億円(平成14年度)
従業員数/41名

事業内容

小口径推進工事、機械式立抗構築工事、各種ボーリング工事、地中熱ヒートポンプ、汚水処理・真空脱水機

(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)