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札幌の元気企業

株式会社かね彦(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役社長 中島 君子 氏

〒003-0006
札幌市白石区東札幌6条1丁目2番26号
TEL(011)823-1181 FAX(011)823-0881
URL http://www.kanehiko.jp/(新しいウィンドウが開きます)
かね彦本社社屋・工場

かね彦本社社屋・工場








日本伝統の蒲鉾・すり身製造の技術を守り続けて約90年
北海道を意識した商品開発を行い、全国蒲鉾品評会で毎年受賞

鮮魚販売から蒲鉾製造業へと事業を拡張

 (株)かね彦は、魚肉を使った練り製品の製造・販売を手がける専門業者。「かね彦」ブランドの蒲鉾やすり身などの製品は、デパートの食品売り場や小売店、道外で開催される北海道の物産展、東京・有楽町にある「北海道どさんこプラザ」などで人気を呼んでいる。また、業務用製品の製造も手がけており、道内ではホテルや学校、病院など、道外では主にすり身などを問屋経由で高級料亭やホテルなどに納品している。
 これらの練り製品は、防腐剤などを一切使用せず、昔ながらの製法にできる限りこだわりながら作っているのが特徴である。その製造の歴史をたどると、創業の大正7年(1918年)にまで遡る。現在の二条市場で経営していた鮮魚店に蒲鉾の製造部門を設け、「かね彦商店」を設立したのがはじまり。昭和に入ってからは蒲鉾製造が6割、鮮魚販売が4割に逆転するほどになり、この当時から製品は病院などの施設に納入されていた。当初より同社は、商品作りに対する真摯な姿勢を貫いてきた。「技術と研究の店」という、食材を売る店にはなじみのない宣伝文句が店頭に貼られるなど、当時から現在に続く製造に対する頑固な信条が伺われる。
 その後、昭和40年代には惣菜事業を手がけ、このことがきっかけで蒲鉾製品にも同社のオリジナル商品が登場。この頃開発したチーズ、ハム、パセリを練り合わせた洋風かまぼこ「チーズハム板」、中心にゆで玉子を並べて回りに合挽き、すり身の順に焼き上げた「肉巻玉子」は現在も人気のあるロングラン商品となっている。
 昭和50年代になると、日本が本にあわせ、蒲鉾も大量生産の時代に入った。これを受け、同社も量産体制を整えながら多彩な商品を企画・製造・販売し続け、小売対象で400種類前後にも及ぶ商品を育て上げて現在に至っている。

昔ながらの製法にこだわりながら生魚をすり身にする設備と加工技術を堅持

 同社のものづくりへの真摯な態度は、原料を吟味しつつ、加工処理する工程に表れている。
 まず原料は、高級蒲鉾の製造に北海道産魚のワラズカをメインに使用。これを自社で3枚におろし、すり身にしている。こうして魚を直にさばいてすり身にしている業者は、全国を見回しても少ない。そのため本州の業者から、本州産魚をすり身に加工する委託業務を請け負っている。このため同社では、生魚を加工処理するための下水・廃棄物処理施設も早くから完備している。
 また、量産向けのすり身は国外から調達しているが、防腐剤などを使用しないことで、出来る限り昔ながらの蒲鉾・すり身のもつ味わいを守っている。
 加工工程全般に対しても、札幌市が推奨するHACCP基準にのっとった衛生管理を徹底。商品の梱包時には特に気を配り別室で作業が行われている。
 こうして丹誠込めて、気を配ってでき上がった商品が、小売商品として、また業務用食材として出荷されている。

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▲かね彦本社社屋・工場          ▲梱包室での作業風景

北海道のイメージに特化した商品開発で本格的な本州進出への足がかりを模索

小売用商品と洋風かまぼこ「スモークチーズハム」 小売用商品と洋風かまぼこ「スモークチーズハム」

小売用商品と洋風かまぼこ「スモークチーズハム」 小売用商品と洋風かまぼこ「スモークチーズハム」

 手作り感のある本物の商品製造にこだわる同社の今後のさらなる目標は、開発力を生かしてできるだけ北海道の食材を利用した商品開発をすることである。
 北海道色を意識した、富良野産コーンを入れた蒲鉾「きびっこちゃん」や、紅鮭の身を乗せた「紅鮭クリーム焼」などに続き、平成15年(2003年)には、ハム、チーズ、クリームをすり身に練り合わせ桜のチップでスモークした新作「スモークチーズハム」を開発。いずれも全国蒲鉾品評会で入賞を果たしている。こうした全国レベルで認められた評価を背景に、今後はさらに北海道のイメージに特化した商品開発を行い、本州進出への足がかりとしていく予定だ。

【技術者 INTERVIEW】
魚のすり身が多彩な商品になっていく面白さ新しい商品を開発する醍醐味を実感できます

mono02-i<<取締役工場長 豊年 昌冶さん 平成3年7月入社>>
 私は現在、工場現場の責任者として、魚や野菜など材料の仕入れと、製造に携わっています。すり身は生き物で、原料の具合や温度など、すべての条件をしっかりと観察しながら作っていかなければなりません。機械まかせにできないところが難しい点で、技術と経験を要する部分です。
 面白いところは、魚のすり身がいろいろな種類の商品になっていく工程がみられる点と、新しい商品を開発して世に出す醍醐味を実感できるところではないでしょうか。昨年発売した「スモークチーズハム」は私のアイデアで生まれた商品。蒲鉾もスモークしてみたら美味しいんじゃないかなという発想から生まれました。これからも柔軟な発想で商品開発に関わっていきたいですね。

企業データ
会社概要

創業/大正7年(1918年)3月
設立/昭和29年(1954年)3月
代表者/代表取締役社長 中島 君子
資本金/4,950万円
売上高/5億5,000万円(2004年2月期)
従業員数/46名

事業内容

蒲鉾、すり身など練り製品、惣菜の製造・販売、鮮魚販売

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)