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札幌の元気企業

クレードル興農株式会社(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役社長 寺田 良勝 氏

〒064-0804
札幌市中央区南4条西13丁目2番28号
TEL(011)561-3181 FAX(011)561-2236
URL http://cradle-kounou.co.jp(新しいウィンドウが開きます)
羊蹄山麓にある喜茂別工場











北海道の農産品を鮮度よく缶詰・レトルト製品に
品質本意のこだわりをクレードルブランドに込めて

喜茂別町のアスパラ農家が結集して起業

 アスパラガスやスイートコーン缶詰のラベルにイタリック体で書かれた「クレードル」の文字は、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。このブランドを守り続けているクレードル興農(株)は、昭和23年(1948年)の設立以来、北海道の農産品を缶・瓶詰め・レトルト商品にして販売している。
 創業の歴史は昭和7年(1932年)、喜茂別町に始まる。年ごとに変動が激しかった原料価格や納入規格などに悩んだアスパラガス栽培の農民が結集して組合を結成。「農民のための、農民の手による工場」で、ホワイトアスパラガス缶詰の生産を始めた。農民が主体となって、農産物を加工し商品化してきたこの精神が、会社設立後現在に至るまで同社の品質本位の商品づくりや原料調達の基本理念となっている。
 昭和39年(1964年)までには事業が軌道に乗り、一時は海外にアスパラガス缶詰を輸出。通産大臣からは輸出貢献企業の認定を受けるまでに成長した。
 現在では缶詰、冷凍野菜、レトルトパウチの3事業を主軸とする加工製造・販売事業を積極的に展開。農産品に対する専門的な知識を基盤に、高品質の缶詰製造ノウハウを蓄積し、同社のクレードルブランドは、着実に信頼と実績を積み上げてきている。

新鮮原料加工の決め手は圃場~工場まで約30分

 同社の缶詰、冷凍野菜、レトルトパウチ製品は、基本となる缶詰製造のノウハウにより高い品質の製品作りが可能となっている。そのための重要なポイントは、「良い原料をいかに早く処理できるか」だという。同社はこのため、北海道内3カ所にある製造工場を、契約圃場から車で30分以内のところに建造。羊蹄山麓の喜茂別町にある喜茂別工場では、スイートコーンの缶詰やスイートコーン、馬鈴薯、カボチャの冷凍食品などを、伊達市の伊達工場では、レトルトのスイートコーンや、調理食品などを、由仁町の三川工場ではスイートコーンやアスパラガス缶詰、あずき缶詰などを製造している。
 また、原料となる作物を作る契約農場との長年の信頼関係も同社の強みとなっている。良い原料を仕入れるためには契約農場や農協との強固な連携が欠かせない。同社創業以来の、農家や農協などとの強い信頼関係が、この連携を盤石なものとしており、これが同業他社との品質面での違いとなってあらわれている。
 商品製造の面では、基本となる缶詰製造技術がすべてのベースとなっている。缶詰の殺菌技術である回転殺菌は、現在でこそ製造ラインの標準装備となっているが、同社が最初に始めたものだという。同様に、これらの殺菌・密封技術が冷凍食品やレトルトの商品開発にもつながっている。

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▲スイートコーン製造ライン        ▲冷凍野菜の製造ライン

缶詰製造技術を生かしてOEM商品製造へ

 同社の殺菌・密封技術を基盤とする加工技術は、「クレードル」ブランド製品のみならず、有名ホテルや飲食店などの缶詰・レトルト食品の委託製造にも生かされており、高い評価を得ている。
 ホテルのシェフが作るカレー、有名店のシチューなどは、顧客ごとにレシピが違う。缶詰やレトルトでありながら、料理人のこだわりの味を忠実に再現するところに同社の技術レベルの高さがうかがえる。保存容器の中で本来の味を保つための製造ノウハウが、いかんなく発揮されているのである。
 同社では、さらに原料農家との連携を生かして産地直送システムによる商品開発も企画中だという。外国産の食品が大量に流入している現状にあって、豊富な農業知識と経験で良質な北海道産食品を加工製造・販売し続ける同社の今後の取り組みに期待したい。

【技術者 INTERVIEW】
季節毎に変わる製造ラインの設備改善でやりがいも

mono03-i<<生産部工務課 課長補佐 坂本 秀史さん>>
 生産部工務課で、おもに工場の設備・生産管理の仕事をしています。各工場では季節ごとに製造する品目などが違ってくることから、工場ラインの設備の改善や新しく考案するという仕事が多く、それがやりがいにもつながっていますね。また工場内の電気やボイラー、冷凍機、排水処理場などは、コンピュータ化も進んでいることから、これら設備維持管理も行っています。
 繁忙期は8月・9月のスイートコーンの生産時期です。最近は原料・業務管理などの仕事や、各工場の品質管理部門との共同による品質管理、労働安全衛生活動など、仕事の幅が広がっています。
 農産加工食品は今後、価格競争の激化が予想されます。より一層の製造コストの見直しや生産システムの改革を進めつつ自社製品のPRに努めていきたいと考えています。

企業データ
会社概要

創業/昭和7年(1932年)
設立/昭和23年(1948年)6月
代表者/代表取締役社長 寺田 良勝
資本金/3億9,630万円
売上高/23億8,000万(平成15年12月期)
従業員数/230名(パート含む)

事業内容

アスパラガス、スイートコーン、馬鈴薯、南瓜などの農産品、調理品の缶詰、冷凍、レトルト食品等の加工食品の製造・販売

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)