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札幌の元気企業

株式会社三八(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役 小林 孝三 氏

〒060-0061
札幌市中央区南1条西12丁目322番地
TEL(011)271-1138 FAX(011)271-1196
URL http://www.kakasha.com/(新しいウィンドウが開きます)
同社のヒット商品「札幌タイムズスクエア」

同社のヒット商品「札幌タイムズスクエア」








伝統の和菓子作りの技術を生かして洋菓子を商品化
卓越した商品開発力と高い技術でブランディング戦略

伝統を受け継ぎながら個性的なコンセプトショップを立ち上げ

一つひとつ職人によって手作りされる上生菓子

一つひとつ職人によって手作りされる上生菓子

 (株)三八は明治38年(1905年)に、創業者の小林弥三八氏が「日の出屋」として菓子業を始めて以来、現在までおよそ一世紀にわたり暖簾を守り続けてきた老舗だ。その後大正3年(1914年)に店の屋号を「三八」として菓子店を開店。順調に客足をのばし、昭和3年(1928年)には現在の本社に分店を設けるまでになった。
 太平洋戦争を経た昭和41年(1966年)には、現在の本社地に地下1階・地上5階建ての本社・工場社屋を完成させ、現在の体制の基礎ができあがった。同社が積極的に事業の多角化に乗り出したのもこの頃からである。
 昭和42年(1967年)には道外展開を視野に入れ東京事務所を開設し、昭和45年(1970年)新しくお土産用ラーメンの開発・製造・販売をスタート。昭和44年(1969年)には、南4条西3丁目のススキノ交差点角に店を出し(現在の菓か舎)、2階にイートインの先駆けでもあるパーラーを開店。さらに昭和53年(1978年)には札幌市・宮の森に郊外レストランを出店した。
 その後、時代は徐々に右肩上がりの経済成長を続けるバブル景気の時代に。マーケットで商品の個性化・差別化志向が強まる中で、同社も平成2年(1990 年)に、菓子部門の新ブランドとして「菓か舎」を立ち上げ、これが全国的な人気となった。それまで100種類あまりに膨れあがっていたアイテム数を、同ブランドでは5つにまで絞り込み、これらを基軸として事業展開を推し進めて成功。現在は、この事業路線を引き継ぎながら、さらに新たなブランド菓子を企画・販売し続けて今日に至っている。

和菓子の技術で洋菓子に新しい風

「札幌タイムズスクエア」の製造ライン。季節ごとに微妙に材料調節するなど、手仕事の技も注ぎ込まれている。

「札幌タイムズスクエア」の製造ライン。季節ごとに微妙に材料調節するなど、手仕事の技も注ぎ込まれている。

 同社の製品を大別すると、和菓子、洋菓子、そしてお土産用ラーメンの3種類である。
 和菓子、洋菓子については、同社の保有技術の基本となっている和菓子の技術を広く洋菓子に応用して商品化しているのが特徴のひとつである。
 平成2年(1990年)に発売された人気商品「菓か舎」ブランドの「札幌タイムズスクエア」は、洋菓子のスポンジ生地に「蒸す」という和菓子作りの発想を取り入れて商品化。これまでの洋菓子の「生地は焼き上げる」という既成概念を捨てたことで、ソフトで上品な口当たりの商品が完成し、ヒット商品へとつながった。
 現在同商品は一日2万個あまりを生産し、札幌市内や新千歳空港などのお土産店などでも取り扱われている。
 その他の商品も「札幌時計台」「時の綺羅」「時見草」などと、すべて「時」をテーマにしたネーミングでトータル感を演出。それぞれのお菓子のイメージにあわせた専用の包装紙を作るなど、積極的なブランディング戦略を打ち続けている。

北海道初のお土産ラーメン開発も

 こうした洋菓子部門の個性的な商品展開を底支えしている和菓子作りの技術は、同社が変わらず作り続けている和菓子部門で脈々と受け継がれている。季節ごとに商品を衣替えする生和菓子は、日本伝統の情緒と風情を匠の技術によって表現するだけに手間もかかる。しかし同社は、この伝統こそ技術の核心と捉え、大切に守っていく考えだという。
 同社は、北海道で初めてお土産ラーメンの製造・販売に着手した企業でもあり、現在も事業は続いている。この意外とも思える組合せは、お土産品としての菓子作りに携わってきた同社だからこその着眼点だった。また、最近では札幌タイムズスクエアイメージを用いた姉妹品『タイムズスクエア・フレッシュロール』を販売。
 「札幌タイムズスクエアの魅力をあらためて認知していただき、商品の魅力を広げるために開発したもので、こちらも好評を得ています。しばらくはこちらの商品を通したさらなる『菓か舎』ブランドの浸透に力を入れていきたい」と話す小林昌弘常務。
 今後とも同社の優れた企画力による商品開発に注目していきたい。

【技術者 INTERVIEW】
職人の技で人気商品の味を守りたい

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<<和菓子職人 岡部 敬一さん 昭和41年入社>>
 私は和菓子職人ですが、現在は「札幌タイムズスクエア」の製造ラインの責任者をしています。お菓子は気候に左右される商品なので、夏場と冬場では材料の配合を変えたりなどと、つねに同じ品質になるように心がけています。全国に出回っている人気商品なので、どなたが食べても美味しいと言ってくださるように頑張って作っています。

【技術者 INTERVIEW】
和菓子作りの技術を若い世代に伝えたい

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<<和菓子職人 三上 昇さん 昭和49年入社>>
 私は和菓子部門で伝統的な上生菓子や餅物、カステラなどの焼物を作っています。和菓子の商品を作るには最低でも10年以上の経験が必要です。今後は、機械生産の良さを生かしていくためにも、当社の技術の基本となる伝統の手作りの良さを若い世代にも伝えていきたいと思っています。

企業データ
会社概要

創業/明治38年(1905年)3月
設立/昭和16年(1941年)11月
代表者/代表取締役 小林 孝三
資本金/3,900万円
従業員数/152名(パート含む)

事業内容

菓子、土産用ラーメンの製造・販売、レストラン経営

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)