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札幌の元気企業

中山食品工業株式会社(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役 中山 正美 氏

〒002-8028
札幌市北区篠路8条1丁目1番23号
TEL(011)772-7521 FAX(011)771-6166
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本社社屋風景

本社社屋風景








北海道産の高級昆布を個性的な珍味として生産
  製法特許なども取得し攻守揃ったビジネス展開

独自に開発した商品が今もロングランの人気商品

同社の昆布珍味製品

同社の昆布珍味製品

 中山食品工業(株)は、昭和52年(1977年)に中山正美社長が脱サラをして始めた昆布専門の珍味製造メーカーだ。現在は、11種類の昆布珍味を年間平均で約250トン生産。道内外の卸問屋を中心に、韓国、中国などの海外市場にも販売シェアを有し、年間4億円以上を売り上げている。
 こうした同社の事業戦略の基盤には、昆布に特化した珍味製造と、消費が浅いため常に市場規模の広がりを意識することが求められるところにあるという。
 中山社長はそれまで勤務していた食品メーカーで培ったノウハウを基に、鱈の珍味製造を事業の柱としてスタートさせた。しかし翌昭和53年(1978年) には、二百海里問題の影響で原料の鱈の仕入れ価格が高騰。売価の低い珍味製品の原料として使うことができなくなってしまった。そのため、安定して入手できる珍味の材料を探していたところ目をつけたのが、北海道の特産品でもある昆布であった。
 乾燥昆布は水に戻せばおよそ3倍に増える。このことも珍味向けの原材料として魅力であった。さっそく独自の製法で開発した商品、昆布の旨味を引き出した「磯の木昆布」と、これにとろろ昆布を巻き付けた「とろろ巻昆布」を開発して販売。これが発売当初から人気となり、現在でも全体の売上げのそれぞれ50% と30%を占めるロングランの商品となっている。
 販売に際して製法特許などの知的所有権も獲得。「市場にない新しい商品をつくる」という中山社長のポリシーを法的に守ることで、事業収益確保の取り組みも周到に行ってきた。

ビジネスノウハウを蓄積し海外進出も果たす

数々のヒット商品を生み出す石狩工場

数々のヒット商品を生み出す石狩工場

 その後、国内市場での限界を見越していた中山社長は、昭和55年(1980年)にはいち早く海外に進出。最初に進出した台湾では、最盛期には年間100 トンもの商品を輸出し、当時の売上全体の30%を占めるまでに至った。その後、中国へも平成5年(1993年)頃から商社経由で輸出を始め、こちらも順調に売上げを伸ばした。
 現在は、韓国を中心に全売上のおよそ1割にあたる年間30~40トンの商品を海外市場に出荷している。海外市場への事業展開は、今後さらに強めていく予定だ。

昆布の可能性をみつめて事業規模の拡大へ

平成15年に発売して人気の「味きらり・ゆず昆布」

平成15年に発売して人気の「味きらり・ゆず昆布」

 同社は現在、特許2件、実用新案3件、意匠登録2件を保有しており、申請中の実用新案も2件ある。珍味の製造技術に対してこれほど徹底的に法的ガードをかけるのは、サラリーマン時代に経験した同業他社との熾烈な売上競争、海外でのコピー商品による被害を受けた経験によるところが大きい。以前は受け入れていた外部からの工場視察も現在では一切行っておらず、製法及び社長が考案した工程設備機器なども関係者だけが知る企業秘密となっている。
 原料となる昆布の品質にはこだわりを持ち、主に厚岸や道南産1等級の高級昆布を使用。昆布のとれる時期も合わせて検討し、最良の原料を仕入れることに力を入れているという。
 さらに新商品の開発は1~2年に一度は行い、それまでの市場にはないアイデア昆布珍味を考案している。前出の2商品のほか、昆布に味噌、わさび、うめ、かつお等の風味を加えたり、アーモンド、パンプキンシード、絹の粉末を原料に混ぜたりなど、その種類は豊富。最近では平成15年(2003年)に開発した「味きらり・ゆず昆布」など、独創的な商品を次々と生み出している。
 同社では今後とも新たな商品開発とともに昆布の可能性をみつめていくという。

【技術者 INTERVIEW】
独創的商品づくりで市場を開拓し、製造は衛生管理を徹底した工場

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<<代表取締役 中山 正美さん>>
 私がこの会社を始めてから約30年が経ちます。世界中のどこにもない昆布珍味の開発・製造・販売を一手に行い、国内外の市場に売り込みをかけてきました。そうすれば既製品と比べられることなく、価格設定などに対しても決定権を握ることができるという考えからです。製品には絶対の自信がありますから、今後とも昆布をテーマにした製品作りを考えていくつもりですね。
 もちろん製造時の衛生管理には十分に注意し、HACCP基準に対応した工場管理を徹底しています。
 今後は、現状で1割にとどまっている海外での売上を3割にまで伸ばせるよう積極的にチャレンジしていきたいと思います。

企業データ
会社概要

設  立/昭和52年(1977年)3月
代 表 者/代表取締役 中山 正美
資 本 金/2,500万円
売 上 高/4億1600万円(2004年3月期)
従業員数/48名(パート含む)

事業内容

昆布珍味の製造・販売

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)