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札幌の元気企業

西山製麺株式会社(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役社長 西山 隆司 氏

〒003-8701
札幌市白石区平和通16丁目南1番1号
TEL(011)863-1331 FAX(011)863-6338
URL http://www.seimen.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
麺とスープの研究を行っている研究室

麺とスープの研究を行っている研究室








サッポロラーメンの顔“ちぢれ麺”を全国区に
   製麺業者の老舗が作るラーメン文化は新時代へ

工夫とアイデアで誕生したラーメンの縮れ麺

工場内につくられた厨房施設では試作品を製造、試食するだけでなく、開業支援なども行われる

工場内につくられた厨房施設では試作品を製造、試食するだけでなく、開業支援なども行われる

 サッポロラーメンを象徴する太くてコシのある縮れ麺。その麺を最初に作ったのが、西山製麺(株)の創業者である西山孝之氏だ。それだけに同社の歴史は、そのままサッポロラーメンの歴史とも重なる。
 その始まりは、昭和22年(1947年)に、札幌二条市場沿いにあったラーメン屋台である。当時、富山県にいた西山氏は、このラーメン屋を営んでいた親戚から呼び寄せられ、製麺作業を担当することになった。これが契機となり、昭和28年(1953年)に独立して、西山製麺所を設立。事業は順調に軌道に乗り、10年後の昭和38年(1963年)には西山製麺(株)を設立するに至った。
 独立間もない頃から、札幌でつくられる脂肪分の多い濃厚なスープと味噌スープに合う麺の研究に力を入れていた西山氏は、昭和30年(1955年)には現在のサッポロラーメンの特徴である縮れ麺を誕生させている。麺が縮れているとスープのからみが良いことは分かっていたが、その都度手で揉んでいては大量の注文に対応できない。そこで製麺機メーカーとともに共同で試行錯誤を繰り返し、麺をカットする行程に工夫を施して、ゴム状の板を麺の出口に取り付けることを考案。自動的にカットされ出てくる麺に一定の圧力が加えられることで縮れが生じ、縮れ麺ができ上がるようになった。
 このようにして誕生した縮れ麺は、コシがあり、濃厚なサッポロラーメンのスープによく絡むとして、今日ではサッポロラーメンの象徴として認知されている。

麺作りへのこだわりを工程化した生産ライン

 同社で製造するラーメンの麺は、現在年平均で1日およそ14万食。繁忙期の12月には20万食を製造している。餃子の皮やうどん、焼きそば、スパゲティ、中華皮類、調理めん、餃子などを手がけている中にあっても、やはり注目すべきはその製麺技術にある。
 麺の製造にあたって心がけているのは「じっくりと時間をかけて製造した麺をお客様にお届けすること」だという。今では社員240名を擁する企業に成長した同社だが、創業当時のものづくりの心は、作業が機械化されたいまでも貫かれている。
 材料となる小麦粉は、おもにアメリカ・カナダ産のものを使用。水は同社の敷地の地下200mから地下水を汲み上げている。昭和55年(1980年)に本社・工場を現在地に移転させたのも、この豊富な地下水があってのことだという。
 これらの原料を副材料などとミキサーで混ぜ、熟成させていく。熟成させた麺の塊をローラーで長い帯状にのばして「めん帯」をつくる。ここから麺としてカットされるまでの間にも、同社のこだわりの麺作り工程が実践されている。めん帯1枚ずつ重ねてプレスすることで2枚のめん帯が1枚になるが、最終的に複数のめん帯が1枚になるまで重ねていく。これを丁寧に行うことで、あの歯ごたえとコシを実現できるのだという。
 最後にはこのめん帯を休ませて熟成させ、その後薄くのばしてカット、生から蒸す・茹でる・冷凍するなどの2次加工を経て包装・出荷へと続く。これら一連の工程は、大量生産ラインでも2時間ほどかかり、利益を優先させると決して効率的とは言えないが、同社では、このこだわりの麺づくりを今後とも堅持していくという。


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▲めん帯を複数枚重ねる工程       ▲縮れ麺のできあがるカット工程

北海道色を意識した新発想ラーメンづくりへ

 同社の麺は、スーパーや学校給食、飲食店などに納入されているが、その種類はおよそ100種類以上にも及ぶ。ラーメン店ごとに個性を打ち出したいという希望にきめ細やかに対応すべく、大量生産ラインのほかに、小量生産ラインも設けて、これらのニーズに対応している。
 また、ラーメン店を開業したいという希望者向けに、スープの取り方から麺の茹で方まで支援するプログラムもあり、将来の顧客育成にも注力している。
 今後は「地産地消」を意識して、北海道の小麦を使い、上にのせる食材も北海道産でまかなえるようなラーメン作りができないかと研究中だ。
 麺のウェーブのかけ方や味噌ラーメンの作り方など、望む人に製法を教え続けることで北海道から全国に広がったサッポロラーメン。その懐の深さで、同社は北海道再生への取り組みを新しいラーメン文化の誕生を目指すことで実践しようとしている。

【技術者 INTERVIEW】
西山のブランドを守るために日々励んでいます。若い人の意見も聞いてくれる柔軟な社風が魅力です

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<<生産本部製造1課 課長代理 笹谷 真一さん 平成2年入社>>
 実家が農家なので農業関係の大学へ行き、食品関連企業に入りたいと思い、当社を志望しました。
 入社後は品質管理や商品開発などの部門で業務にあたっていましたが、昨年春に製造1課へ異動しました。この課はスーパーなどに卸す麺を作っている大量生産ライン部門で、西山製麺のブランドが広く流通する商品を製造しています。それだけに信頼と実績を傷つけることのないよう特に気を配りながら、衛生管理の徹底や人員のスケジュール・配置調整を行っています。
 社風は、若い人でも意見や計画があれば発言でき、アイデアもどんどん採用してくれる環境があるので、やりがいをもって仕事に取り組めます。

企業データ
会社概要

創業/昭和28年(1953年)8月
設立/昭和38年(1963年)12月
代表者/代表取締役社長 西山 隆司
資本金/9,000万円
売上高/40億9,100万円(平成16年12月期)
従業員数/243名(パート含む)

事業内容

生ラーメン、冷凍麺、焼きそば、うどん、そば、スパゲティ、中華皮類、調理めん、餃子などの製造販売。各種麺類スープ、惣菜類の販売、学校給食麺の委託製造ほか

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)