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札幌の元気企業

株式会社豆太(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役 岡内 省吾 氏

〒006-0012
札幌市手稲区富丘2条5丁目9番30号
TEL(011)691-8318 FAX(011)694-3435
URL http://www.mameta.jp(新しいウィンドウが開きます)
にがりを入れた豆腐の原料を型に入れる工程

にがりを入れた豆腐の原料を型に入れる工程











札幌発のブランド豆腐「豆太」で道外にも顧客ルート拡大
     昔ながらのこだわり製法が人気の秘密へ

豆腐と消費者の関係を見直して新しい豆腐ブランドを札幌から全国へ

大豆をすり潰す工程

大豆をすり潰す工程

 (株)豆太は、昔ながらの製法でこだわりの豆腐を製造している企業だ。消泡剤などの添加物を一切使用せず、原料の大豆、ニガリ、水だけで豆腐を製造・販売し、地元の札幌はもちろん道外にもファンを拡大している。
 もともと同社は、岡内食品(株)という社名で昭和29年(1954年)に創業。こんにゃく、しらたき製品などを弁当業者、個人商店、病院などに納めていたが、平成10年(1998年)に豆腐製造を手がけていた企業を吸収合併し、新たな事業として豆腐づくりをスタート。しかし、業者としては後発組であるため、従来の豆腐とは一線を画して販路の拡大につながるアイデアを生み出す必要があった。この時から岡内宏樹専務の新商品開発への取り組みが始まった。
 岡内専務がまず取り組んだのは、豆腐と消費者の関係を見直すこと。そこから得たのは、「豆腐はラーメンに近い存在。どこにでもある食べ物だけれど、味や製法などが消費者のこだわりとなって商品を選択する際の決め手となっている」ということだった。さらに現代の食品に対する安全志向をリサーチすべく、札幌市内の自然食品の店を回りながら、消費者が豆腐に何を求めているのかを市場調査した。
 これらの取り組みを重ね、でき上がったこだわり商品を「豆太」という新しいブランドで販売することに。平成12年(2000年)に、岡内食品の高級ブランド品を扱う会社として(株)豆太も設立。デイリーフーズとしての豆腐は岡内食品で、こだわりブランド商品としての豆腐は豆太で製造・販売をスタートさせ、現在に至っている。
 この3年間で、「豆太」ブランドが定着してきたことから、平成18年(2006年)3月をもって豆腐の製造を(株)豆太に一本化し、事業の足場を固める取り組みを続けていく予定だという。

大豆、ニガリ、水だけでつくるこだわりの味

本社に隣接している直営ショップの商品群

本社に隣接している直営ショップの商品群

 現在同社では、1丁180円と300円の豆太豆腐を一日1500丁ほど生産している。このため使用する北海道産大豆は約240㎏。原料の大豆は本来、お菓子などに使用される「オオソデフリ」「キタムスメ」を使用しているが、大豆のコクと甘みが多いぶんタンパク質が少なく固まりづらい。豆太豆腐開発時にも苦労したのがこの点だったという。試行錯誤の結果、この課題を解決し、豆太豆腐の繊細で甘みのある味を表現することができるようになった。
 さらにニガリは、伊豆大島産の「海精」を使用。絶妙のミネラルバランスが保たれているニガリは、やはり昔ながらのこだわり製法で造られている商品だけに量産が難しい。岡内専務の熱意で仕入れることができた貴重な原料のひとつである。
 そして水は、手稲山の伏流水である地下水を使用。
 大豆、ニガリ、水。この3つの原料だけで作るこだわり豆腐、豆乳、おから、揚げ、おからドーナツなどの製品は、自然食品店や一部デパート、自社工場の直営ショップなどで売られ、根強いファンを獲得している。

北海道の地域ブランドに育て上げることが目標

原料の大豆を手にする岡内専務

原料の大豆を手にする岡内専務

 現在同社は、道外からの引合いに応え、防腐剤を入れなくとも一定の日数の保存に耐える包装材を利用した、本州向け豆腐も製造・販売している。「まるとうふ」と名付けられた商品は、豆腐をマリモ羊羹の要領でゴムの袋に充填することで保存期間を延ばすとともに長距離輸送に耐える商品にすることができた。
 このようにさまざまなアイデアと新商品開発への努力で、消費者心理を掴んできた岡内専務は、今後に向けた新たな取り組みも行っている。
 「現在は、北海道と中小企業基盤整備機構から研究開発費等をいただき、豆乳を発酵させる技術を道の食品加工研究センターと共同開発中です。これが完成すればさまざまな商品を生み出すことができ、当社だけでなく、北海道の地域ブランドとして育てることができると思います」と地域への思いも強い。
 アイデアと工夫で商品づくりを進める同社の取り組みに今後とも注目したい。

【技術者 INTERVIEW】
「豆腐は四角い」この既成概念をはずすだけで新しい商品をつくることができました

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<<専務取締役 岡内 宏樹さん 平成8年入社>>
 平成8年に入社するまでは経営コンサルタント会社に勤めていました。小さな企業ならではのフットワークを生かし、いろいろな取り組みや可能性にチャレンジすることで企業として成長していくことができると考えています。
 豆太ブランドが定着してきた時に、本州から数々のオファーをいただきましたが、豆太豆腐には防腐剤を入れないというこだわりがあり、長距離輸送には耐えられないという課題が出てきました。これをどう乗り切るか思案をしていた過程で「まるとうふ」が生まれました。豆腐が四角くなきゃいけないという思いこみを取り払うだけで、梱包方法を変えることを思いつき、問題も解決しました。
 今後は、豆太豆腐の基礎固めをさらに強固なものにした上で、本州展開と新商品の開発に力を入れていきたいと考えています。

企業データ
会社概要

創業/昭和29年(1954年)9月
設立/平成12年(2000年)11月
代表者/代表取締役 岡内 省吾
資本金/1,000万円
売上高/6,500万円(2004年3月期)
従業員数/18名(パート含む)

事業内容

豆腐、揚げ、こんにゃくほか関連商品の製造・卸売り
※(株)豆太の母体である岡内食品(株)の概要を含む

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)