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札幌の元気企業

創建工業株式会社(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)

代表取締役会長 石倉 建治 氏

〒004-0812
札幌市清田区美しが丘2条3丁目7-20
TEL(011)378-0076 FAX(011)378-0444
URL http://www.soken-kogyo.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
空知郡南幌町の晩翠工業団地にある南幌事業所

空知郡南幌町の晩翠工業団地にある南幌事業所





消波ブロックの飛散を防ぐ
格子網、格子カゴを開発
海に関わる製品づくりの技術者集団を目指す

海岸の環境問題に着目し、格子網を開発

 創建工業(株)は、官公庁で防波堤を専門に扱ってきた現会長、石倉建治氏が、自ら開発した消波ブロックの型枠リースを始めるため、昭和56年(1981 年)に設立した。主に海や河川の消波ブロック、根固めブロックの型枠を製作し、そのリースを主業務としていたが、その後海岸にブロックが飛散し、環境問題となっていることに着目。それまで消波ブロックは消耗品という考えが一般的であり、ブロックの飛散防止工法として「格子網、格子カゴ」を開発した。
 また、消波ブロックは安定性を重視して設置されるが、砂浜海岸では波がブロックにぶつかり、その周辺の砂を削りとる洗掘と、波浪の高低差による砂の吹き上げと吸い出し(液状化)現象によりブロックが移動し、時間の経過とともに散乱、最終的には、消波効果が全く期待できない状態になることが多い。これを防ぐために、シートやマット類を使うこともあるが、大きな波が続くとこの被害を防ぐことができない。そこで同社は、ブロックの初期移動を抑えるという発想で格子網工法を開発。
 湧別海岸で平成5年(1993年)に試験工事を行ったのをきっかけに、その確かな性能が徐々に認められ販売が拡大。特許も取得し、同社の事業の大きな柱となった。

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▲組立式ブロック「コンデンサ」の模型。    ▲自社開発した消波ブロック
 美観と安全性に優れている。          「パックリー」の模型    
 空隙率47%。実験継続、開発中。                       

ブロックの移動を防ぎ、離岸提、ヘッドランド等の洗掘を防止、美観上の問題も解決

格子網の組み立て・敷設・ブロックとのかみ合わせの作業の様子

格子網の組み立て・敷設・ブロックとのかみ合わせの作業の様子

 格子網工法は、ブロックに合わせて井桁に組んだ構造用鋼材が、最下層のブロックとしっかりかみ合い、ブロックの移動を抑えるため、飛散を防ぎ、いつまでも整然と設置された状態を保持する。そのため消波効果が保たれ、また美観を阻害することもない。さらに、ブロックの据付けが迅速正確にできるなど、利点が多い。
 現在は、別海町の床丹海岸、胆振海岸の人工リーフなど道内の海岸を中心に、遠くは鹿児島県志布志湾の海岸にも格子網を納入しており、度々襲来の台風にも、ブロックは移動せず、消波構造物は安定。格子網は全国的に評価が高まっている。

アイデアや発想を武器に、新たな製品づくりにも注力

組み立てが完了した格子カゴ(現在はさらに改良されている)

組み立てが完了した格子カゴ(現在はさらに改良されている)

 日本は海岸の侵食防止に世界一力を入れている国と言われているが、その反面、“日本の海岸は、まるでブロックの墓場”と酷評されている。
 欧米と違い、安価に砂の入手ができない日本で、海岸を守るために、消波ブロックは有効な資材である。ただ従来の工法では、ブロックは散逸して景観を阻害し、漁網がひっかかるなどの被害も出ていた。こうした問題を防ぐ策として格子網、格子カゴは大きな注目を集めている。
 今後も同社は、防波堤、人工リーフ、ヘッドランドや河川護岸の安全性と環境にかかわる新しい製品の開発に力を入れ、新製品の販売と新技術の指導コンサルタント業務を目指して行く。

【技術者 INTERVIEW】
あらゆる角度から踏み込み本当のニーズを見つけ、応えていくことが大切です

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<<技術部長 内田 年彦さん 平成6年入社>>
 私が現在担当している格子網、格子カゴの設計では、ブロックと鋼材をしっかりとかみ合わせることが非常に重要です。そのため多種多様なブロックごとに、重量や大きさはもちろん、形や性能などきめ細かく調べて最も適した鋼材の組み合わせを考えていきます。逆に言えばブロックに合わせて、格子網を設計していくので、どのようなブロックにも柔軟に対応でき、施工性も優れているのが大きな特徴になっています。当社の製品は、一つひとつオーダーに合わせて作っていくので、お客様のニーズを把握することが大切ですが、お客様から言われたことだけでなく、これを作ることの目的や作ったことでどんな影響が出て、どんなことがさらに求められるのか、あらゆる角度から検討し、本当の意味でのニーズを見つけて、応えていくことが必要となります。
 今後は自分なりのアイデアを生かしながら、人や生物、産業などの環境に配慮した新しい製品を開発して、社会に貢献できれば嬉しいですね。

企業データ
会社概要

設立/昭和56年(1981年)11月
代表者/代表取締役会長 石倉 建治

     代表取締役社長 石倉 理彦

資本金/1,000万円
売上高/1億円(平成15年度)
従業員数/7名(平成16年10月現在)

事業内容

消波ブロックの型枠リース、消波ブロック飛散防止用格子網・格子カゴの設計・製造・販売

(『札幌の技術2005年ものづくり編』掲載)