ホーム > 札幌の元気企業 > 50音別索引

札幌の元気企業

三愛パック株式会社(『札幌の技術2006年ものづくり編』掲載)

代表取締役 坂本和比路 氏

〒063-0832
札幌市西区発寒12条1丁目1番11号
TEL(011)668-8755 FAX(011)668-8770
URL http://www.sanaipac.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
代表取締役 坂本和比路 氏

代表取締役 坂本和比路 氏





環境にやさしい紙製包装資材を次々と開発、
斬新なアイデアと高い性能で全国から高い評価

海に残った発泡スチロールの残がいがきっかけ 自然素材にこだわった製品開発に取り組む

2006_m07_2

 代表取締役の坂本和比路氏は、現在まで50年に渡り包装資材を手掛け、常に使いやすくて便利な新しい製品づくりに取り組んできた。昭和61年(1986年)、50歳の時に独立して三愛パック株式会社を設立。その後、地球環境にやさしい紙素材の包装容器資材の開発に取り組み、人一倍強い情熱と独自のアイデアで、数々のオリジナル製品を生み出している。
 坂本社長が環境問題に取り組むようになったのは20年以上前のこと。親類の漁師と海で漁を行ったときに、網の中に入っていたのはわずかな魚と大量の発泡スチロールの残がい。その状況にショックを受け、放置されると 100年経っても自然に帰らない発泡スチロールの時代は終わると確信。それに代わる環境にやさしく、リサイクルや一般焼却できる製品づくりに力を注ぐようになった。その後、同社のユーザーの視点に立った製品づくりは、道内外から高い評価を得、現在多くの企業等で用いられている。

ユーザーの視点に立って使いやすさを重視、現場の作業効率の向上に貢献

2006_m07_3

 同社が開発する製品は、単に環境にやさしいだけでなく、強度や保冷性、利便性など、機能・性能面も高いことが特徴である。バターロール紙を使った酸化、油ヤケに強い「いくら・たらこケース」、段ボールの復元力を活用して身崩れを防ぐ「鮭ケース」、耐水性に優れ、木箱より強くて軽く、積み上げても滑らない「耐水段ボール」など、使いやすさに加え組み立てや運搬、使用後の処理といった現場の作業の効率化を実現している。また、平成13年(2001年)に開発した紙製「保冷ケース」は、箱に空気の層を設けるという斬新な発想で、発泡スチロール以上の保冷効果を可能にしており、日本赤十字社が血液の輸送に採用した実績を持つ。同社では他社との差別化を図るために、こうした開発製品の特許取得・出願を積極的に推進。特許製品は、特許流通アドバイザーを通して全国に紹介されており、現在契約提携をはじめ引き合いが急増している。

【TOP INTERVIEW】
特許を生かした事業展開で、「札幌発全国行き」を目指す

<<代表取締役 坂本和比路さん>>
 私の製品づくりの原点は、お世話になっていたある会社の会長から言われた「得意先に行くときは、必ず新しいサンプルを持参しろ」という言葉です。そこから他ではできないようなものを作ろうと取り組んできました。段ボール製品は模倣されやすいので、他社と差別化を図ろうと特許取得に力を入れ、現在では道内外の企業と契約を結んで、一部を除いて各地の工場で生産供給する方式をとっています。私たちだけで製造・販売するのでは限界がありますが、こうした事業展開をすることで製品が「札幌発全国行き」になり、より多くの人に使っていただけるのではと考えています。

【TOPICS】人・もの・技術
発泡スチロール製以上の保冷効果、紙製「保冷ケース」

2006_m07_4

同社はこれまでほとんどが発泡スチロール製だった保冷用ケースを、紙製の段ボールを素材に製品化。ストーブの2枚の鉄板の間にある層が断熱効果を高めていることをヒントに、箱の外側と内側に15mmの空気層を設け、さらに底にも11mm程度の層を作っている。内上蓋にはティッシュペーパーに似た吸水紙が張り付けられており、蓄冷材により生じた湿気を吸い込むと膨張し、密閉度がより高まる。さらに外上蓋をかぶせると上部にも空気層が生まれ、冷気が循環する仕組みとなっている。北海道立工業試験場の協力を得て実験したところ、約16時間もの間、発泡スチロール製より保冷効果をあげることが証明された。日本赤十字社で採用されたほか、確実に普及が広まっており、平成15年度の北海道新技術・新製品開発賞奨励賞を受賞している。

企業データ
会社概要

■設立/昭和61年(1986年)8月
■代表者/代表取締役 坂本和比路
■資本金/1,000万円
■売上高/約7億円(平成17年5月期)
■従業員数/20名(平成17年12月現在)
〈沿革〉
□昭和61年8月/札幌市西区で会社設立
□平成元年5月/千歳工場設立
□平成4年3月/酸化防止用バターロール紙を使用したいくらケース特許取得
□平成5年3月/贈答用鮭1本入特許取得
□平成12年4月/段ボールフタワンタッチ方式特許取得
□平成12年10月/段ボールケース底スベリ止め方式特許取得
□平成13年1月/本社現在地に移転
□平成13年3月/千歳工場移転
□平成16年2月/「保冷ケース」が北海道新技術・新製品開発賞奨励賞受賞
□平成17年8月/保冷ケース特許取得

事業内容

・一般包装資材の企画販売
・段ボール・紙器製品
・ポリエチレン・ラミネート製品
・包装・梱包機器全般
・各種特許製品製造販売

(『札幌の技術2006年ものづくり編』掲載)