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札幌の元気企業

株式会社レーザーシステム(『札幌の技術2006年情報・バイオ編』掲載)

代表取締役 土内 彰 氏

〒063-0801
札幌市西区二十四軒1条4丁目1番10号
TEL(011)613-6388 FAX(011)613-6389
URL http://www.lasersystems.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
土内彰代表取締役(左)と三澤明教授(右)

土内彰代表取締役(左)と三澤明教授(右)











北海道大学の光技術の産業応用・製品化で
レーザー微細加工分野のオンリーワンを目指す

フェムト秒パルスレーザーを応用した製品開発を目指す大学発ベンチャー

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 株式会社レーザーシステムは、北海道大学電子科学研究所の三澤弘明教授が研究しているパルスレーザーを応用したレーザー加工装置の開発・生産を行う大学発ベンチャーである。三澤教授が取り組んでいるのは、フェムト秒(1000兆分の1秒)という極めて短い時間だけ光るパルスレーザーと物質の相互作用に関する研究である。
 従来のレーザー加工では照射されたレーザーが照射部周辺に熱による損傷を与えるため微細な加工が難しかった。しかしフェムト秒パルスレーザーでは照射部周辺が熱的・科学的損傷をほとんど受けない。これによりナノメートル単位の微細な加工が可能になり、さらにガラスなどの透明材料でも表面にまったくキズをつけることなく内部だけを局所的に三次元加工することが可能になる。同社は、この技術を応用し新たなレーザー加工装置の開発・製造・販売を行うべく、平成16年(2004年)3 月に設立された。

レーザー微細工技術がもたらす新たなナノテク産業の可能性

マーキング実施例

マーキング実施例

 同社では、レーザー加工装置の心臓部となる「光学エンジン」の開発に特化し、顧客ニーズに応じた企画提案・委託加工などのソリューション事業と加工用光学エンジンの開発・生産・販売を行う。主な加工装置としては、各種ウエハのダイシング装置、ICチップ・ダイヤモンド・ガラスなどへのマーキング装置等が考えられる。ダイシングでは半導体業界で広く普及しているブレード式ダイシングに代わる新しい加工技術として、照射部位の損傷を最小限に抑えたドライプロセスでのダイシングを実現している。また、フェムト秒パルスレーザーを使った三次元フォトニック結晶の作製や、レーザーインジェクション(生細胞への外来物質の導入)なども可能であり、ナノテクノロジーおよびバイオテクノロジーの分野でも応用展開が期待されている。フェムト秒パルスレーザーによる加工技術・装置の開発は世界的にも例が少なく、今後の展開が期待されている。

【TOP INTERVIEW】
次世代光学技術を産業として発展させたい

<<代表取締役 土内 彰さん>>
 大学発ベンチャーとしては、シーズとして存在する技術を最終的に社会に還元することが大きな使命となりますが、それと平行してそれらをビジネスとしてどう成立させ、成長させていくかが最も重要なテーマとなります。当社では、加工対象物にパルスレーザーを最適化して照射することのできる「光学エンジン」を開発する技術があり、それをどの分野で展開するか、そこにどんなユーザーニーズがあるかを十分に予測したうえでスタートすることができました。売り物と売り先が確実に見えているというのはベンチャー企業にとっては大きなアドバンテージであり、これを北海道発の新しい産業として発展させたいと思います。

【TOPICS】人・もの・技術
フェムト秒パルスレーザーを利用したICチップ加工

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 レーザー加工は材料に照射された光エネルギーが材料に吸収され、熱エネルギーに変換される。それにより材料が融解・分解・飛散し加工が施されるのだが、従来のレーザー加工では照射部位の周辺の熱による損傷は避けられなかった。フェムト秒パルスレーザーは1000兆分の1秒という短時間にレーザーを照射するため、熱が発生する前に加工することができ、熱による損傷がほとんどない。この技術を「ウエハーの切断」に応用すると切断面を数ミクロン~1ミクロン以内に抑えることが、 1枚のウエハからより多くのICチップを製造することが可能になり、環境への負担も減少する。ICチップは将来的には0.3ミリ四方まで極小化するといわれており、フェムト秒パスルレーザーによるウエハ加工が必要不可欠になると考えられている。

企業データ
会社概要

■設立/平成16年(2004年)3月
■代表者/代表取締役 土内 彰
■資本金/1億6,000万円
■従業員数/7名(平成17年12月現在)
■三澤研究室との共同研究拠点
 〒001-0021 札幌市北区北21条西10丁目 北海道大学創成科学研究棟内

沿革

□平成16年03月/会社設立
□平成16年12月/本社移転
□平成17年10月/「1号機」出荷

事業内容

レーザー関連製品の開発・生産・販売および保守

(『札幌の技術2006年情報・バイオ編』掲載)