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札幌の元気企業

原田電子工業株式会社(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)

代表取締役社長 原田 証英 氏

〒063-0052
札幌市西区宮の沢2条5丁目3-5
TEL(011)663-6050 FAX(011)663-6051
URL http://www.h-e-i.co.jp/(新しいウィンドウが開きます)
同社が開発した 「筋電制御義手SH-I」

同社が開発した 「筋電制御義手SH-I」








「計測と制御」を中心に高度な技術力で
 他社で困難な高性能機器・製品を開発

開発困難なものを独自の技術と  アイデアで製品化

北海道では数少ない 「熱溶解積層法システム機」を導入

北海道では数少ない 「熱溶解積層法システム機」を導入

 原田電子工業(株)は、社長の原田証英氏が大学院時代に培った計測・制御・機構などの技術力とノウハウを活かし、高性能の電子機器の開発を行う企業として、昭和59年(1984年)に設立。レーザーの描画システムの開発を手始めに、高精度秒時雷管、高信頼性発破システム、航空機用救命システム、海難救助用マーカー作動装置、気象用広域データ収集システムなど、特殊・特注機器製品の開発・製造を手掛けている。同社は受託開発が中心で、大手企業・メーカーなどが手に負えず開発が行き詰まってきたものが持ち込まれることが多い。同社独自の技術とアイデアで製品化を実現することで、多くの企業・大学などから高い評価と信頼を得ている。
 また現在では、生体電位の計測技術を活かした「筋電制御義手」「家畜(乳牛)出産集中管理システム」「競馬のハロンデータ計測システム」などの開発を進めており、多方面から大きな期待を寄せられている。

世界トップレベルのロボットハンド

腕の屈筋群、伸筋群に検知器を貼るだけで手の動きを再現できる

腕の屈筋群、伸筋群に検知器を貼るだけで手の動きを再現できる

 「筋電制御義手SH-I」は、残存筋肉から発生する微弱な電流を正確に計測・分析し、手の動きを再現するもので、5本の指が独立して動くという世界初の方式により、柔らかいものや複雑な形状のものに対しても「握る、摘む、包み込む」といった手の持つ動作をスムーズに行うことが可能になっている。さらに、本来の手の持っている形、柔軟さ、丸みをも再現したデザインで、その中にモーター、ワイヤー、ギア、偏心カムなどの機器部品をすべてコンパクトに収め、メカニズムのみですべての動作を完結させている。従来のような大掛かりな装置を必要としないため、見た目にも美しく、重さ360gは世界最軽量である。現在は、医療分野の遠隔治療ロボットとしての開発や、NASA(アメリカ航空宇宙局)と共同で宇宙空間でのロボットハンド・アーム活用のための研究を行っている。
 またこの生体電位、微弱信号の計測技術を活かし、複数の競走馬の通過時間を正確に計測するとともに、心拍数から馬の状態を把握し、調教にも活用できる「ハロンデータ計測システム」や、牛の体温・膣内PHを高精度で計測することで、出産時期や健康状態を管理する「家畜(乳牛)出産集中管理システム」なども、実用化に向けて開発を進めている。

販売会社を設立、一般市場向けの製品づくりへ

 同社の技術開発の特徴は、目的に合わせてシンプルに考え、あまり必要としない機能や構造は極力割愛し、ぎりぎりの条件設定で限界設計していく。さらにプログラムからハード、ソフト、デジタル、アナログ、機構、デザインまで、ほとんどを社内で開発していくため、ハードで補えないものはソフトで、デジタルで補えないものはアナログで、というように、柔軟にそしてトータルに開発できるところに、大手にはない強みがある。またそれを支える設備面でも、熱溶解積層法システムやCADなど、必ずハイエンドな最新機を導入するようにしているほか、試作品・製品製作を行うための加工機器が、設計・研究室に所狭しと置かれている。
 同社は平成12年に、自社製品の販売を担うハラダ・ハイパープレシジョン(株)を設立。今後は、受託開発中心から、一般市場向けに製品化したものを販売し、原田電子工業は技術開発の研究所的な位置づけにしていくことを目指している。

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【技術者 INTERVIEW】
普通にやったら普通のものしかできない 全体を見て様々な発想を

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<<技術 黒澤 圭司さん 平成元年入社 >>
 私は開発・設計が主な業務で、現在は「ハロンデータ計測システム」と「連鎖式色調変化型ペンライト」のシステムづくりを行っています。当社で行う開発は、基本的には世の中にないようなものを毎回作ろうとしているので、なかなか参考にできるものがありません。それに条件もかなり厳しく、「もう少し電力が使えたら」「もう少し大きくできたら」と思うこともしばしばで、要求がきつい分苦労も多いですね。普通にやったら普通のものしかできないので、全体を見回しながらいろいろな角度から見たり、固定概念を捨てたり、全く違う発想をすることを心がけています。
 自分の仕事の中で、今は回路的にアナログに偏っているので、今後はもう少しデジタルの幅を広げていきたい。そして、目的や使い方から回路に至るまでトータルにシステムが見られて、それに対する本質的な要求をすぐに理解できる技術者に成長していきたいと思います。

企業データ
会社概要

■設立/昭和59年(1984年)11月
■代表者/代表取締役社長 原田 証英
■資本金/1,000万円
■売上高/1億円(平成14年度)
■従業員数/9名(平成15年10月現在)

事業内容

計測制御機器及び動作機構の設計・開発・製造

(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)