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札幌の元気企業

有限会社環境資源応用技術開発研究所(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)

代表取締役社長 高島 晃 氏

〒063-0002
札幌市西区山の手2条9丁目1-1-105
TEL(011)613-2333  FAX(011)613-2770
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土に還るOPSは法面の土壌改良にも役立つ 2003 Made In 札幌グランプリ 準グランプリ受賞

土に還るOPSは法面の土壌改良にも役立つ 2003 Made In 札幌グランプリ 準グランプリ受賞





有機性廃棄物を良質堆肥に変え商品化
 堆肥の地産地消で社会還元システムを提案

酪農家の「お荷物」有機性廃棄物を原材料に

ねこの草「ヘルシーガーデン ニヤッパ!」(堆肥ポット使用)

ねこの草「ヘルシーガーデン ニヤッパ!」(堆肥ポット使用)

 (有)環境資源応用技術開発研究所は、有機性廃棄物を堆肥化する技術を利用して、環境に負荷をかけないさまざまな商品を開発・製造・販売しているベンチャー企業だ。
 家畜などから大量に出る糞尿の処理は、酪農家の長年の悩みの種となっていた。これをなんとか解決したいと立ち上がった社長の高島氏によって生み出された製品は、酪農家にとっても、あらたなビジネス展開の可能性を生み出すものとして期待を集めている。
 ビジネスのきっかけは、もともと高島氏が公設の農業研究機関で長年技術者として携わってきて、全道の酪農家が、家畜から出る糞尿の処理に困っているのを常日頃から目にしていたことだった。
 「産業廃棄物処理の法律も新しくなり、そこいらに野積みすることもままならなくなった。酪農の盛んな道東地域では1日1頭あたり40キロ平均の糞尿が排出されるというデータもあります。尿の分を差し引いても1頭あたり半分の20キロがどんどん蓄積されていくんです。いくら酪農家の土地が広いといっても、堆肥として使い切れる量ではありませんね」。
 糞尿を堆肥に作り替えるプラントは、すでにこれまでにも多くのメーカーが開発・商品化してきている。しかしながら、いずれも高額な初期投資がかかる。新たに作り出された堆肥の需要先の不透明さなどから、ほとんどの酪農家は糞尿処理のために法律にしばられているからといえ、需要先のない中でそれだけの高額投資をすることは、現実には非常に困難である。
 そこで高島氏は、このお荷物の産廃物から作られた堆肥を商品化することで「有機性廃棄物が商品の原料になる」という仕組みを考え出し、具体的に多くの商品化を成功させていったのである。

農業、緑化工事、ペット用品など堆肥を使った環境にやさしいアイデア商品

花壇苗(堆肥ポット使用)そのまま植えられてごみが出ず、根傷みもしない

花壇苗(堆肥ポット使用)そのまま植えられてごみが出ず、根傷みもしない

 高島氏は北海道庁を退職し、平成9年から具体的な研究に着手し、翌年には同社を立ち上げた。そしてまずは、カボチャなど育苗用ポットの開発を手がけた。従来品は塩ビ製でゴミ処理の必要があった。良質な堆肥を成形してポット型にすることで、そのまま土に埋められゴミを出さないという優れた製品だ。しかもこのポット苗を植栽する簡易機械も同時に開発。手植えしていたものが機械による植栽になり、作業の効率化にもつながっていく。さらに酪農家にとって魅力的なのは、この堆肥を使った成形システムを一度同社から導入してしまえば、あとは自分のところでポットやスペーサーに成形することができる。原料の糞尿から堆肥、ポット、スペーサーの生産、販売まで、まさに堆肥資源を効率よく循環させることができるのである。
 「食物だけでなく堆肥も地産地消が原則。そうすれば、ただ畑に施していただけの堆肥が、幅広く商品原料として販売することもできる。副収入の可能性も出てくるわけです」と高島氏。
 このポットは、さらに多くの機能性を付加して農業に普及するため、現在、国の農業研究機関との共同研究を進めている。
 さらに同社ではこのポットを応用し、堆肥を使った道路工事の法面工事に使用する植生用スペーサー&植栽ポットOPS(Organic Pot Spacer)を開発。樹木を育成するさし木ポット機能も兼ね備えて環境にやさしいOPS法面緑化工法を提案した。プラスチック製品でできた従来品と違い、土に還り、環境重視時代にふさわしい商品として評価され、札幌市が主催する「Made In 札幌グランプリ」において2003年度の準グランプリを受賞した。
 現在、従来品にない有機栽培のネコの草など、堆肥を活用したさまざまな商品を生み出し続けている同社だが、単なる商品開発にとどまらず、利用する側が使いやすいトータルなシステムを提案しているところが同社の特長であろう。

【技術者 INTERVIEW】
堆肥を固める技術を生み出し商品化 その可能性を見つめています

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<<代表取締役社長 高島 晃さん>>
 かねてから酪農家の方々のお荷物となっていた家畜の糞尿をなんとか利用できないかと考えていました。
 従来から堆肥は作られていましたが、大量の糞尿があるということは、大量の堆肥が出来るということであり、 大量に作った堆肥をどう大量に捌いていくかを考えないと糞尿問題はいつまで経っても解決しません。
 農業や家庭菜園、花壇などに使う苗は毎年必ず大量に必要なものです。さらに、植林用ポット苗、スペーサーとして土木緑化事業やペット業界など非農業分野への活用を考えれば、大量消費にもつながります。
 堆肥ポットは植林用の苗木にセットして、植林活動団体に寄付していますが、確実に根付き緑の再生につながり好評です。 従来品の塩化ビニールポット、プラスチックスペーサーに代替できる商品としてこの分野への新規参入は十分考えられます。
 堆肥を利用した奇抜な商品開発が私の夢です。

企業データ
会社概要

設立/平成10年(1998年)4月14日
代表者/代表取締役社長 高島 晃
資本金/300万円
従業員数/3名(平成14年11月現在)

事業内容

OPS、堆肥ポット等堆肥成形商品、堆肥製容器利用有機栽培ねこ草「ニヤッパ」の開発・製造

(『札幌の技術2004年ものづくり編』掲載)