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札幌の元気企業

国岡製麺株式会社(2011年1月取材)

代表取締役 国岡智哉 氏

〒007-0805
札幌市東区東苗穂5条3丁目7-39
TEL(011)784-3224 FAX(011)784-5644
URL http://kuniokaseimen.com/(新しいウィンドウが開きます)

本社外観

創業からビジネスモデルの確立まで

国岡製麺㈱の創業は、昭和13年現社長の祖父が、夕張郡栗山町で営んでいた鍛冶屋から札幌の製麺屋を買取り製麺業に転身したのが始まりである。場所は現在の中央区南1条東2丁目で、札幌への人口流入の増加とこれに伴う食産業の将来性を見越しての転業であったと推測される。

戦後、各戸へ配給される小麦を加工したり、百貨店や官庁の食堂向けに納入して事業は発展、昭和27年に法人成りしている。当時は食糧難の時代で作れば売れた時代であった。

その後、経済復興が進む中で、学校給食が始まり同社も納入を引受けることとなったが、この学校給食への納入がその後の同社のビジネスモデルを決定づける大きな契機となって行くのである。

学校給食を事業の柱に

当時、札幌で開始された学校給食の納入方式は、全国的な「センター方式」ではなく、「札幌方式」と言われる厨房設備の整った各学校へ納入する方式で、温かな食事を供給できる点に大きな特徴がある一方、一カ所に納入すれば済む「センター方式」に比べ数段手間のかかる方式であった。このため、経済の進展と共に納入業者の足並みは乱れ、撤退する業者も出始めた。即ち、経済の原則で効率性や収益性と言った点が重要になると手間のかかる「札幌方式」の学校給食は事業としての魅力が薄れていったのである。

その中にあって、同社の初代社長(現社長の祖父)、二代目社長(現社長の父)が、「利益の追求よりも喜ばれること」を企業理念として、学校給食を事業の柱に据え、他社との差別化を図った点が特筆される。

現社長が大学を卒業し同社に入社した当時、学校給食と業務用・一般向け製品を手掛けて事業は伸長しており、製造・配送に亘る体制の増強に迫られていた。これに対処するため工場の移転が検討され、立地を決めるに際し、学校給食を事業の柱とするか一般向けの製品供給を主に目指すか、が大きな決断要素となった。ここで同社は、上述の理念から学校給食を事業の柱にするために、配送の便が良く営業範囲を広げることが可能な現在地を選んだのである。昭和60年のことであった。現在地は江別市、当別町に隣接すると共に厚田村にも至便の位置にあり、さらに札幌新道、高速道インターに近く小樽方面、岩見沢市までを営業範囲とすることが出来ている。

現社長は語る。「他社から見れば魅力ある市場ではないけれど、皆で知恵を出してビジネスとして確立して来た。温かい麺を学校で生徒に食べてもらおうとの札幌方式はすばらしいもの。生徒は1週間の内4日は麺が食べたいと言う。生徒の喜ぶ顔がやり甲斐である。そして、会社の皆が楽しく働いてくれる。こんな有り難いことはない」と。

三代目の現社長には、祖父、父からの熱い思いが受け継がれ、加えてこのモデルに従業員の方々も応えていることが窺える。

「北海道新技術・新製品開発賞」奨励賞の受賞を励みに・・・一般向け製品開発にも意欲

学校給食用の麺は、当然のことながら生徒に食してもらうものだけに原材料やスープの選定、添加物の使用、衛生面の維持管理等に厳しいチエックが求められる。

そのため同社では原材料、スープの選定や製品作り等について、仕入業者との研究会・勉強会を定期的に開催して来た。その過程で同社の「手間がかかっても美味しくて、安全・安心で、高付加価値なものにチャレンジしたい」との考え方が仕入業者に理解されるところとなり、様々な情報がもたらされる様になった。

その中で開発に至った製品がある。お湯を注ぎ、電子レンジで3分半温め、そのまま煮汁にスープを加えて食すことのできる即席の生ラーメン「ありがとうらーめん(※)」である。この製品は、仕入業者からの「電子レンジで調理してもくっつかない生パスタができれば便利」との要望に応じて開発した技術を生かし、独自に工夫したものである。通常、生麺を茹でるには、大量のお湯と鍋が必要で、かつ、くっつかないようにかき混ぜることが不可欠。煮汁もドロドロしてそのままスープに使うことはできない。しかし、この製品は、生麺でありながら即席麺のようにして調理することができるのである。「手軽に美味しい生ラーメンを食せる」とのコンセプトが認められ、平成22年度「北海道新技術・新製品開発賞」食品部門の奨励賞受賞に輝いた。

同社では、この賞の受賞を契機として、公的な支援が提供され、多様な商談機会等に参加できるようになったことから、一般向け製品でも同社の特徴を生かすことにより、独自の販路を築ける可能性が広がっていることを感じている。

学校給食事業で培った同社の企業理念を守りつつ、多様となった消費マーケットを狙うのは決して矛盾することではないとの認識で、一般向け製品の開発にも意欲を示しているのである。同社ビジネスモデルの更なる飛躍を期待したい。

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▲ありがとうらーめん(※)                ▲北海道新技術・新製品開発賞の賞状と盾

(2011年1月12日取材 )
※「ありがとうらーめん」から「レンジでラーメン」に改名(2011年5月)

企業データ
◆会社概要

創業/昭和13年(1938年)11月

設立/昭和27年(1952年)

代表者/代表取締役 国岡 智哉

資本金/3,000万円

従業員数/26名 (2011年1月現在)

◆沿革

昭和13年11月  マルタマ国岡製麺所 国岡甚一 創業

昭和27年     株式会社設立 初代社長 国岡甚一

昭和39年     生ラーメンの製造開始、常温保存うどん製造

昭和57年     国岡直哉 二代目社長就任

昭和60年     現在地 東苗穂に工場移転

平成7年      近隣市町村給食受託

平成9年      道産小麦100%の生ラーメン販売

平成13年     国岡智哉 三代目社長就任

平成18年     道産原料認証登録、厚生労働大臣表彰(衛生工場)

平成19年     学校給食ラーメン道産小麦になる、有機JAS加工認定

平成20年     レンジ対応生ラーメン発売

◆仕入先

木田製粉(株)

横山製粉(株)

江別製粉(株)

北海道三桜(株)

アイビック食品(株)

◆取引先

札幌市学校給食

江別市学校給食

札幌市私立幼稚園給食

(株)東光ストア

生活クラブ生協連合会