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札幌の元気企業

株式会社 白石ゴム製作所(2011年6月取材)

代表取締役 千葉 武雄 氏

〒003-0834
札幌市白石区北郷4条4丁目20-17
TEL(011)-872-3771 FAX(011)-875-6343
URL http://www.rubber.co.jp(新しいウィンドウが開きます)

本社社屋

前職の経験をいかし創業! ~少量多品種に対応~

株式会社白石ゴム製作所は、1977年に千葉社長が7年間勤めたゴムメーカーを退職して創業した。当時の農業機械は外国製が主でそれを道内企業がパーツなどの補修・交換を行っていた。主にゴム製品が多く、その少量多品種のゴム製品の試作品や改良品などの問い合わせが多く、当時勤めていた大手企業では個別対応が難しく、退職し少量多品種のゴム製品を扱う同社を立ち上げた。

ゴム関連製品の製造・施工を主事業とし、ゴムの加工ノウハウを活かして、着氷防止エアーマットやラジコン式農薬散布機などを製造している。社名に「製作所」とあるが、製造設備(熱加工)がある企業ではなく、加工会社である。創業当初は製作所を目指してやろうと考えていたので「製作所」と社名に入っている。現在は、二次加工・三次加工が主で、熱を使わない化学反応で固まるゴムを原料として使う製造も行っている。

北海道ならではの製品開発 ~ラジボーの開発~

同社の強みは少量多品種に対応できるという点である。一時期、パッキンで規格品も作っていたが、競合他社が参入してきて、このパッキンの製造業務からは手を引いた。このような事が相次ぎ、今では15年くらい前の業務は3割程度で、他の7割は新しい業務に移行している。

その新しい業務の中に同社を代表する商品の一つ「自走式農薬散布ラジコンボート ラジボー」がある。もともと除草剤は人力によって水田に散布していたが、除草剤自体が有害で、実際に散布している人達や畑の近隣住民の健康を害する恐れがあるとされた。そのような事から、除草剤の空中散布が法律で規制となり、それと同時に水中に落とすと拡散する薬剤の開発が行われた。当時、取引先の企業より、北海道に多い大区画水田に適応できるように除草剤を水中に散布する機械を作ってほしいとの依頼があり、農薬会社と「ラジボー」の共同開発をした。自走式農薬散布ラジコンボートは、水面上を滑走しながら直接、水中に薬液を散布することから薬液の飛散を防ぎ、人体や環境に悪影響を与えることなく作業を進めることができ、操縦免許も不必要。現在までに200台生産し、とにかく使い易さにこだわってシンプルに仕上げ、道内中心に各農家で使用されている。

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▲自走式農薬散布ラジコンボート 「ラジボー」       ▲ラジボー走行試験の様子

今後について~産学官連携の重要性~

同社が属している業界はクレームの問い合わせが非常に多く、対応で施工側の企業がつぶれてしまうケースも少なくない。そこで同社はクレームを軽減するために様々な公的機関との連携を積極的に行っている。

「ものづくり企業としてこだわっていることは産学官連携である」と千葉社長は言う。連携イコール利益分担などトラブルになりやすい部分ばかりイメージされやすいが、連携することでいろいろな角度から物事を見ることができるというメリットがあり、より適切な判断ができる。またそれぞれの分野の知識・経験が優れている人達と少量多品種を扱う人達とが連携することにより非常に高い精度の商品が開発できるとされている。「自社の利益を考えずに良いものを開発し世の中に送りだす。それが結果的に自分達の為になるということをいかに考えられるかがすごく重要だと思います」と千葉社長は語る。これは11年前に産学官連携を始めてた時からの考えである。

千葉社長は平成22年度の札幌市ものづくり産業活性化支援事業「ネットワーク構築・推進に関する事業」を活用し、建設業界のニーズや製造者のシーズについての意見交換を行う研究会を開催した。同研究会の中で、千葉社長は、近年建設業界では住宅の断熱効果を向上させるため、住宅断熱を基礎部分から改善する工法が注目を集めており、基礎コンクリート自体にスタイロホーム※や発泡スチロールなどの断熱材を接着する方法が生まれてきていること。また、外壁面となる断熱材を保護する材料の開発が遅れており、各業者の間でモルタルなど様々な材料が試されているが、まだ技術的に確立されていないという現状を知る。そこで同社は、建設業界と構築したネットワークを活かし、関係各社と連携して、ゴムを原材料とし、安価でありながら加工性・耐久性に優れた外断熱資材とその施工法の開発を開始した。

産学官及び他業種との連携とは、同社にとって「世の中に良いものを送り出す」という高い志を実現するための方策である。このことが同社の従業員のモチベーションの向上につながるなど、いろいろな面でプラスになっており、常にものづくり業界を良くしていきたいという強い思いを持つ同社に今後も期待したい。

スタイロホーム: 発泡プラスチック系の断熱材の一種

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▲時計台前にある写真撮影スポット台              ▲ノンスリップマット

企業データ
◆会社概要

創業/1977年(昭和52年)1月

設立/1977年(昭和52年)4月 法人化

代表者/代表取締役 千葉 武雄

資本金/4,000万円

従業員数/23人(2011年6月現在)

◆沿革

1977年  1月 創業(1976年12月ブリジストン工業用品北海道(株)退社 独立開業)

1986年 12月 営業部門強化目的により白石機材(株)を子会社として設立

1992年  3月 北海道三共(株)様と除草剤散布機「ラジボー」開発着手

2000年  6月 札幌市・北海道大学・工業試験場と「着氷防止エアーマット」の共同研究開発着手
(平成13年度北海道新技術奨励賞受賞)

2001年  6月 北海道中小企業家同友会 産学官連携研究会
HoPE設立に当り世話人となる(2002年から副代表世話人)

2003年 10月 (財)北海道中小企業総合支援センター増資引き受け 資本金3,600万円

2004年  3月 ISO9001・2000取得

2005年  1月 北大ビジネスモデル事業に伴い(株)プラウシップ設立

2006年  3月 北洋銀行増資引き受け 資本金4,000万円

2006年  8月 エコアクション21取得

2010年  4月 北海道経済産業局委託事業「中小企業応援センター専門家登録」

◆主な仕入先

ブリジストン加工品東日本㈱

東北ゴム㈱

横浜ゴム㈱

㈲アサヒクリエイト

日加商工㈱

◆主な販売先

札幌市各事業所

白石機材㈱

ブリジストン加工品東日本㈱

㈱トラバス

北海鋼機㈱

東北ゴム㈱

(2011年6月 取材)